レビュー|オルトモア 12年【飲みごたえはありつつシャープでクリーン】


バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
今回の記事では、スコッチウイスキーのスペイサイドモルト「オルトモア 12年」についてレビュー・評価をしていきます。
ウイスキーを買うときになるべく失敗したくない!という人は、ぜひ最後までご覧ください。
※このレビュー・評価は2025/8/18時点のものです。


- シンプルな味わいだが飲み応えがある
- クセがなくて誰でも飲みやすい
- いろいろな飲み方で楽しめる
- 12年熟成としては高価


オルトモア 12年とは


- 生産国
-
スコットランド
- 分類
-
シングルモルト(スペイサイド)
- 容量 / 度数
-
700mL / 46%
- 熟成樽
-
バーボン樽
- 主な受賞歴
-
「オルトモア 12年」は、スペイサイド地域にあるオルトモア蒸溜所で造られ、同蒸溜所のウイスキーの中ではエントリーモデルに位置する銘柄です。
度数は46%と少し高めで、ノンチルフィルタード1、ノンカラーリングで造られています。
また、ノンピート2で造られているためスモーキーなクセがなく、誰でも飲みやすい味わいです。
蒸溜所はフォギー・モス(霧が深い湿地)と呼ばれる場所に建っており、シダやヒースなどが生い茂る水源から取れる水を使用することで、味わいの個性を引き立てているそうです。



ちなみに「オルトモア」は、ブレンデッドウイスキーの「デュワーズ」のキーモルト(味の核となるウイスキー)としても有名です。オルトモア蒸溜所自体も、「デュワーズ」の製造会社であるジョン・デュワー&サンズが保有しています。
オルトモア 12年の評価・レビュー


バーテンダーである筆者が「オルトモア 12年」を実際に飲んだときの評価・レビューをします。



どんな味わいか・どんな飲み方がおすすめなのか・どこがおすすめのウイスキーなのかを詳しくご紹介!
テイスティングレビュー
※数値が高い=良いウイスキーではありません
- 香り
-
少々アルコール感はあるものの、しっかりとした香り立ち。
バニラ、モルト、青リンゴ、干し草、ハーブ、スパイス、オーク香。 - 味わい
-
飲みごたえはあるが口当たりは滑らかで、ややドライめな味わい。
バニラ、モルト、スパイス、青リンゴ、パイン、ハーブ、オーク香。 - 余韻
-
モルティかつスパイシーな余韻がほどよく続く。
「オルトモア 12年」は、派手さはないものの、シンプルな質の高さを感じさせる味わいです。
シャープかつクリーンな味わいで飲みやすさがありますが、度数の高さがあるため飲み応えもあります。
深みや複雑さはそこまでないものの、良い意味で若さ(フレッシュさ)を感じられる味わいです。
ノンピートで造られていますが、ややハーバルな風味(おそらく水源の影響)がするため、ヘザーなどが含まれるピート香を彷彿とさせるような印象がありました。



飽きが来ない味わいで、定期的に飲みたくなるような感じがしました!
飲み方別の評価
自分がいつもしている飲み方に合うウイスキーなのか、ぜひ参考にしてみてください。
ストレート
飲んだ時の満足感が高く、荒さもないためまずはストレートで飲んでおきたい。
おすすめ度
トワイスアップ
味わいがペラくならず、爽やかでクリーンな印象。甘さやフルーティーさ、ハーバルな爽やかさがより引き立つ。
おすすめ度
ロック
フルーティーさが際立ち、バランスも良好。ゆっくり飲んでもペラくならず、満足度も高い。味わいの変化を徐々に楽しめる。
おすすめ度
水割り
甘さとフルーティーさの加減が良く、優しくもしっかりとした風味が楽しめる。ほのかにカカオのような風味も。
おすすめ度
ソーダ割り
他の飲み方と比べて酸味を感じる。爽やかさの中に甘さもあり、ライトでガブガブ飲めるソーダ割りというよりも、満足感のあるソーダ割りに仕上がる。
おすすめ度
味わいのバランスが良いためか、どの飲み方にしてもおいしく飲めました。
核がブレないため、飲み方の違いによって多少受ける印象は違えど、一貫してオルトモアの良さを感じられます。
総合評価
「オルトモア 12年」は、モルティかつフルーティーでクセもないため、飾り気のないスペイサイドの良さが感じられるウイスキーです。
非常においしいのですが、価格が7,000円程度と少々効果で、コスパで考えると妥当な感じがしたため、評価が上がりきりませんでした。
ただし、シンプルな味わいの中にも質の高さが感じられ、間違いなく購入する価値があります。
ウイスキー初心者でも飲みやすい味わいでありながらも、ウイスキーに慣れ親しんだ人でも満足できるボディがあるため、飲み方の汎用性然り、多くの人に刺さるのではないでしょうか。



熟成年数以上に満足できる味わいでした!12年熟成には12年熟成の良さがあると改めて感じましたね。
オルトモア 12年の評価まとめ
今回は、スコッチウイスキーのスペイサイドモルト「オルトモア 12年」についてご紹介しました。
- クリーンでシャープな印象の味わい
- クセがなくて飲みやすいが、飲み応えもある
- スペイサイドのシンプルな個性を感じられる
スペイサイドモルトは味わいが優しくてサラッとした銘柄が多いのですが、「オルトモア」は度数が少し高いこともあってか、スペイサイドの良さは残しつつも、満足感のある飲み心地でした。
バーボン樽熟成の良さ、12年熟成の良さが存分に味わえるため、飲んだことのない人はぜひ一度飲んでみましょう。
少し高価ではありますが、味わい的には満足できるはずです。


- 冷却ろ過(チルフィルタレーション)を施さないウイスキーのこと。多くのウイスキーは製造段階で一度0℃前後まで冷却し、さまざまな分子(脂肪酸、エステルなど)をろ過する工程を挟むが、ノンチルフィルタードのウイスキーはろ過工程を踏まないため、ウイスキー本来の風味やオイリーさが残り、よりリッチな飲み口を楽しめるといわれている。度数46%以上のウイスキーは冷えても白濁しないため、基本的にノンチルフィルタードのウイスキーしかない。逆に度数46%未満のウイスキーは、冷えるとミセルという結晶が形成され白濁してしまうため、基本的に冷却ろ過を施す。 ↩︎
- 仕込みや乾燥の工程でピート(泥炭)を燃料に使わないため、その他多くのスコッチや、特にピート香の強いアイラモルトのようなスモーキーさやヨード香(薬品香)がない。 ↩︎
Comment