レビュー|カバラン ディスティラリーセレクト No.2【南国の個性はありつつバランス◎】


バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
今回の記事では、台湾のシングルモルト「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」についてレビュー・評価をしていきます。
ウイスキーを買うときになるべく失敗したくない!という人は、ぜひ最後までご覧ください。
※このレビュー・評価は2025/8/12時点のものです。


- トロピカルな個性は感じつつも、バランスが良い
- 比較的安価に台湾ウイスキーの良さが感じられる
- 毎年のように世界的に高評価をされている
- とにかくわかりやすくトロピカル感を求めている人には若干ミスマッチ
- 樽の風味が人によっては強く感じる可能性がある


カバラン ディスティラリーセレクト No.2とは


- 生産国
-
台湾
- 分類
-
シングルモルト
- 容量 / 度数
-
700mL / 40%
- 熟成樽
-
バーボン樽のリフィル樽
- 主な受賞歴
-
「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」は、台湾のカバラン蒸留所が2020年に発売した、同蒸留所の中ではお手軽な価格で購入できるウイスキーの1つです。
ディスティラリーセレクトシリーズの第1弾「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」に次ぐ第2弾として発売されました。
台湾は亜熱帯気候ということもあって、他の産地のウイスキーと比べて3〜4倍も熟成が速く進むといわれており、ノンエイジながらもスコッチの12年熟成と同程度の熟成感があります。



台湾のベストシングルモルトにも選ばれたことのあるウイスキーで、質は高め!
カバラン ディスティラリーセレクト No.2の評価・レビュー


バーテンダーである筆者が「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」を実際に飲んだときの評価・レビューをします。



どんな味わいか・どんな飲み方がおすすめなのか・どこがおすすめのウイスキーなのかを詳しくご紹介!
テイスティングレビュー
※数値が高い=良いウイスキーではありません
- 香り
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フルーティーでしっかりとした香り立ち。若干アルコール刺激もある。
バニラ、リンゴ、オレンジ、ハーブ、スパイス、オーク香。 - 味わい
-
ジューシーなフルーティーさとスパイシーさがメイン。
バニラ、青リンゴ、レモン、パイン、ハーブ、スパイス、オーク香。 - 余韻
-
フルーティーかつスパイシーで、ほんのりビターなオーク香がほどよく続く。
「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」は、バーボン樽熟成で味わいのバランスも良いため、普段スコッチなどを飲んでいる人でも違和感なく楽しめる印象です。
独特なハーバルな風味があるのですが、やや接着剤のようなニュアンスもあるため、人によっては若干ですが好き嫌いがあるかもしれません。
台湾のウイスキーらしい「しっかりとした樽の風味」が感じられる点で考えると、上記のような風味もネガティブには映りませんでした。



バランスは良いのに個性もしっかり感じられるので、「おもしろい味わいなら飲んでみたいけど、好みに合うか不安」という人でも気兼ねなく購入できます!
飲み方別の評価
自分がいつもしている飲み方に合うウイスキーなのか、ぜひ参考にしてみてください。
ストレート
個性はしっかりと感じられるものの、他の飲み方のほうが合うため、相対的に評価はやや低め。決して悪くはないので、一度は飲んでおきたいところ。
おすすめ度
トワイスアップ
まったくペラくならず、トロピカルなフルーティーさがしっかりと感じられる。少量加水のほうが甘さも感じられておすすめ。
おすすめ度
ロック
こちらもハッキリとトロピカルなフルーティーさを感じられる。キャラメルのような甘さが出てきて、ボディも失われない。味の変化もあって、比較的長時間楽しめる。
おすすめ度
水割り
フルーティーだが、酸味が強く出てバランスが悪い。
おすすめ度
ソーダ割り
水割りで出た酸味が爽やかさに変わり、バランスは取れている。フルーティーかつウッディで、スッキリとした飲み心地。
おすすめ度
個性の1つである「樽の風味」が、飲み方によって変化するのがおもしろいポイント。
水割り以外ならおいしく飲めるので、家で飲む際はいろいろな飲み方で楽しんでほしいところです。



ソーダ割りは樽香のバランスも考えて、1:4くらいにすると爽やかに飲めておいしかったですね。
総合評価
「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」は、台湾に特有のトロピカルな風味はありつつも、バランスの取れた味わいが楽しめるウイスキーです。
価格は5,500円程度と、スコッチの12年熟成とほぼ同じ価格帯で、間違いなく価格分の味わいは楽しめます。
ネガティブな点はあまりありませんが、わかりやすく「ザ・トロピカル」という味わいがやや控えめだった点や、特筆すべきポイントがあまりなかった点で、総合評価の点数が上がり切りませんでした。
とはいえ、毎年世界的なコンペティションで高い評価を受けている質の高いウイスキーですので、飲んでみる価値は大いにあります。



スコッチやアイリッシュ以外のウイスキーをあまり飲んだことのない人は、ぜひ一度飲んでみましょう。


カバラン ディスティラリーセレクト No.1との違い


「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」と「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」は、ベースの味わいは少し似ているものの、甘さやフルーティーさ、樽香など、個々の風味のニュアンスや強弱が異なります。
No.1はトロピカルなフルーティーさが強く、No.2は青リンゴのようなジューシーなフルーティーさが感じられました。
個性や甘さ、飲みやすさとしてはNo.1に軍配が上がりますが、味わいの厚みやバランスの良さはNo.2のほうがあるように感じます。
どちらを買うか迷ってしまう人は、以下の点を意識するとよいでしょう。



個人的にはNo.1のほうが好みでした!No.2よりも台湾独自の味わいが感じられましたし、コスパで言ってもNo.1のほうが高く感じたからです。とはいえNo.2も出来が良く、普通においしくて甲乙つけがたい…
カバラン ディスティラリーセレクト No.2の評価まとめ
今回は、台湾のシングルモルト「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」についてご紹介しました。
- ノンエイジながらも、スコッチの12年熟成となんら変わりない熟成感
- 台湾らしい個性は感じつつも、全体のバランスが取れている
- 樽香の好き嫌いが分かれる可能性もあるが、自分に合った飲み方をすれば好印象になるはず
いつも飲んでいるウイスキーとは少し違う味わいを求めている人には、特におすすめのウイスキーです。
おそらく多くの人の好みからそこまでハズレない味わいですし、水割り以外なら飲み方の汎用性もあります。
価格もそこまで高くなく、家飲みウイスキーとして嬉しいポイントをいくつも押さえていますので、気になる方はぜひ購入してみてはいかがでしょうか。


\ウイスキーが美しく映えるロックグラス/


\リムが薄く口当たりが良いグラス/


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