バーテンダーが教える|オーセンティックバーの暗黙のルールや覚えておくこととは?

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バーのマナーやルールを解説
いのかず

どうも、バーテンダー兼ブロガー&ライターのいのかず(@InoKazuBlog)です。

バーって暗黙のルールがあるの…?なんか行きづらそう…

こう思ってなかなかバーに行けず、悩むことはありませんか?

バーに行きなれていない人にとって、店内の様子がわかりづらいバーは、マナーやお酒の知識がないとなかなか行けない場所というイメージでしょう。

では、実際にバーには暗黙のルールや知っておくべきマナーがあるのでしょうか?

そこで今回の記事では、バーテンダーである筆者が以下について詳しく解説していきます。

  • そもそもバーとはどんな場なのか
  • バーで必要なたった1つのルール
  • 入店から退店まででおさえておきたいマナーやポイント

この記事を読めば、バーに行っても恥ずかしくない振る舞いができるようになります。

いのかず

バーで楽しくお酒を楽しむためにも、ぜひ最後まで読んでみてください!

なお、この記事で言う「バー」とは、暗めの店内で、バーテンダーがピシッとした格好をしている「オーセンティックバー」のことです。カジュアルなバーでしたら、そこまでかしこまったマナーはそんなに必要ありません。

CONTENTS

オーセンティックなバーは「大人の社交場」

ひと口に「バー」と言ってもいろんな業態がありますが、その中でも今回は「オーセンティックバー」についてご紹介します。

オーセンティックは「本物」や「正当な」という意味です。基本的に店内は暗めで、お酒の知識やカクテルの味、サービスにおいてプロフェッショナルなバーテンダーがいるバーのことを指します。

いのかず

僕が勤めているのもオーセンティックバーです。

オーセンティックバーは「大人の社交場」で、仕事やプライベートを問わず大切な人を連れて行ったり、日々の疲れを癒やしたりと、さまざまな目的で使われます。

バーはお酒を楽しむ場所というイメージがありますが、実は楽しめるのはお酒だけではありません。

  • 場の雰囲気
  • 店の内装・デザイン
  • グラス・置物・椅子などの備品
  • バーテンダーとの会話やサービス
  • バーテンダーの所作

バーはこれらすべてが合わさった総合芸術です。ひとたび扉をくぐればそこは「非日常の空間」で、バーの中にあるもの、バーで起きることのすべてを五感で楽しめます。

いのかず

お店ごとに自分なりの楽しみかたや使いかたを覚えると、より一層バーを楽しめるようになるでしょう。

バーで守るべきルールは「他人を気遣うこと」だけ

バーでは知っておくと良いマナーはいくつかありますが、ルールは1つだけしかありません。それは「他の人にも気遣うこと」という、大人ならできて当然の立ち振舞いです。

  • 自分勝手な言動をしない
  • 他のお客様も気持ちよく利用できるように心がける

このように、社会人(大人)としてあたりまえの常識さえあれば、決してバーは怖い場所ではありません。すべては気遣いに集約されるので、バーに行くならこれだけは必ず意識しましょう。

いのかず

実はバーにおいてのマナーのほとんどが、この「気遣い」で成り立っています。

マナーやバーでやったらまずいことについても解説しますが、「他人への気遣い」ができていれば、正直マナーなんて覚える必要はまったくありません。

バーに行くときに知っておきたいマナー【入店編】

入店編でご紹介するマナーは、バーに行くなら必ず意識したい項目です。

  • 匂いの強い香水はつけてこない
  • 場にそぐわない格好で行かない
  • 泥酔した状態で行かない

これら3つの項目は、守らないと店に入れてもらえない、もしくは出禁になる可能性があるので注意です。

いのかず

それぞれの項目について詳しく解説していきます。

匂いの強い香水はつけてこない

バーで楽しむお酒であるウイスキーやカクテルは、味はもちろん、香りも楽しむお酒です。

強い香水をつけてしまうと、他の人の嗅覚を奪ってしまってお酒の香りがわからなくなってしまいます。

他の人に気を使うなら香水は付けて行かないようにしましょう。

いのかず

バーテンダーがカクテルを作るとき、香りは味を見極める重要なサインでもあります。目の前に座った人が香水臭かったら、バーテンダーの仕事を阻害しかねません。

場にそぐわない格好で行かない

オーセンティックバーでは、基本短パン半袖など、極端にラフな格好はNGです。場の雰囲気を台無しにしてしまいますし、そもそもバーテンダーが店に入れてくれません。

ホテルバーや銀座などの格式高い店でない限り、実際はドレスコードまで要求されないことが多いですが、それでも最低限TPOに適した服装はあります。

服装は迷う部分が多いと思いますので、「これを着れば間違いない」という指標を作りました。

  • ホテルバー:襟付きのシャツやジャケット&スラックス
  • オーセンティックバー:みすぼらしくないキレイめのトップス&パンツ
  • ショットバー:ドレスコードはあまりない
いのかず

どの服で行こうか迷ったら、なるべくキレイめな服装にすればどこのバーでも間違いありません。

泥酔した状態で行かない

泥酔している人は、そもそも店内に入れてくれません。

他のお客様に迷惑がかかるのはわかりきっていますし、なにより場や雰囲気を台無しにします。

泥酔するまで飲まないのが「大人」の酒の嗜みかたです。

いのかず

変な人はバーテンダーに顔を覚えられるので、次にシラフで行ったとしてもお断りされる場合があります。

バーに行くときに知っておきたいマナー【店内編】

店内でのマナーは、いざ文字に起こしてみるとたくさんあります。

  • 勝手に席につく
  • 乾杯でグラス同士を当てる
  • 変な注文をする
  • 泥酔する
  • 店内で吐く
  • トイレを汚す
  • 注文せずに長時間居座る
  • 無許可でボトルに触る
  • 他の人に話しかける
  • イチャイチャする
  • 下ネタを話す

「たくさんあって面倒!」と思う人もいるかもしれませんが、いい大人ならできて当たり前のことばかりです。

これさえできない大人はバーには似つかわしくないと思ったほうがいいでしょう。

いのかず

TPOをわきまえるのは社会では常識です。会社の外でも当たり前にできるような素敵な大人になりましょう。

勝手に席につく

基本的には、バーテンダーに案内されるまでは勝手に席に着くのはやめましょう。

バーテンダーはそのときの状況に応じて、お客様の席を決めてご案内しています。空いている席に勝手に座ってしまうと、結局バーテンダーに「申し訳ございませんがこちらのお席でお願い致します」と言われてしまうのがオチです。

そうなるとお互いに気分が良くないので、店内に入ったら案内されるまでは待ちましょう。

いのかず

これはバーというか、どの飲食店でも普通ですよね。

乾杯でグラス同士を当てる

乾杯でグラス同士を当てると、グラスが欠けてしまうことがあります。

バーでの正しい乾杯の仕方は、グラスを少し持ち上げて「乾杯」や「お疲れ様です」「いただきます」と言うだけがスマートです。

いのかず

高級なグラス・1点モノのアンティークグラスを割ってしまったら、弁償代が恐ろしい…。そのへんはちゃんとお会計に乗るので、絶対にグラスの扱いは丁寧にしましょう。

変な注文をする

オーセンティックバーでは、雑な注文や変な注文の仕方はやめましょう。

  • 「何でもいいからおすすめをちょうだい!」
  • 「僕(私)のイメージでカクテルを作ってください」
  • 「あちらのお客様に1杯お願いします」

このような注文は絶対に避けるべきです。

「何でもいいから」と言われても、バーテンダーから「どんなお味がお好みですが?」「アルコール度数はいかがいたしますか?」など、結局ヒアリングが始まってしまいます。

「イメージで作ってください」という注文も、初対面でイメージなんて湧くわけがありません。男性ならパリジャン(パリジャンのように粋な男性ですね)や、女性ならプリンセスメアリー(カクテル名にピッタリのお方ですね)のように、無難なカクテルを提供されて終わりです。

「あちらのお客様に1杯」は、正直1番ひどいです。相手に対して恐怖感しか与えませんし、その方は見ず知らずの人からお酒をいただきたくてバーに来ているわけではありません。

いのかず

まず「バー」とはどんなところなのか、どんな人がどんな気持ちで来ているのかを考えれば、こんな注文はしないはずです。

泥酔する

お酒が美味しくて何杯も飲むのはいいのですが、泥酔はダメです。他のお客様に迷惑がかかりますし、場の雰囲気を台無しにしてしまいます。バーテンダーにうまくお会計まで誘導され、帰らされるのがオチです。

いのかず

声も大きくなりやすいので、すぐに注意されます。場合によっては1発で出禁です。

店内で吐く

これは大人としてどうでしょうか。店内で吐くのは、そもそもマナー以前の問題です。

「トイレなら問題ないでしょ」と言う人もいるかもしれませんが、トイレで吐くのも他の利用者に迷惑がかかります。

飲める量を知っているのが大人で、バーは大人が来る場所です。絶対に吐くまで飲まないようにしましょう。

いのかず

バーテンダーは「あ、この人吐いたな」とすぐに気づくので、トイレ掃除にはすぐさま入りますが、吐くような人はバーテンダーから良い顔は絶対にされません。

トイレを汚す

これは男女関係ないのですが、一見さんだとトイレを汚す人は意外に多いです。男性だと立ったまま用を足して便器や周りを汚す人、女性だと水回りをビチャビチャにする人がいます。

トイレは他のお客様も利用する場所です。自分だけ良ければいいなんて考えは捨てましょう。

いのかず

自分勝手に公共の場を使う人に素晴らしい人間はいません。もし自分もトイレを汚すような使いかたをしているとしたら、意識をあらためるべきです。

注文せずに長時間居座る

バーはカフェではありません。(カフェでも1杯だけで何時間も居座る人は感覚を疑いますが…)

もし店内が満席になった場合、グラスが空になったのに何も注文せず居座ると、後から来る人の席がなくなってしまいます。

いのかず

混んできたとき、もう注文しないなと思ったら、お会計をして退店するのがスマートです。

無許可でボトルに触る

ボトルは店のもので、お客様のものではありません。

ビックリするのですが、たまに平気でボトルを開けて香りを嗅いだりする人がいます。衛生的に良くないですし、他のお客様にお出しするお酒です。

もしボトルデザインをよく見たい場合や、グラスと一緒に写真を撮りたい場合は、バーテンダーに一言「ボトルを触ってもよろしいですか?」「写真を撮ってもよろしいですか?」と聞いてください。

いのかず

たまに写真NGのお店もあるのでご注意。これは、シャッター音やフラッシュが他のお客様のご迷惑になると考えるバーテンダーもいるからです。

他の人に話しかける

これは主に男性に対しての注意です。隣りに座った女性にいきなり話しかけるのは絶対にやめましょう。

女性にかかわらず、同性でもむやみやたらに話しかけるのはご法度です。その方は見ず知らずの人と話す目的でバーに来ているわけではありません。

いのかず

これも場を乱す行為として出禁になります。

イチャイチャする

バーは照明が暗いので、いい雰囲気になるのはわかります。しかし、そういうことは人目につくところでは控えるのが大人です。他のお客様も、そういう人がそばにいて気分がよくありません。

いのかず

そういうことは、2人きりで、そういう場所でおこないましょう。

下ネタを話す

楽しいと思っているのは自分だけで、周りのお客様の気分を害するだけです。下ネタを楽しく話したいなら、バーではなくて他の夜のお店にしましょう。

いのかず

風紀を乱すような行為は、基本的に出禁案件です。

バーに行くときに知っておきたいマナー【退店編】

退店時にも気をつけたいことはいくつかあります。

  • 大きな声で会計を頼む
  • 「おあいそ」と言う
  • 会計後に長時間居座る

場の空気と状況を常識的に考えられれば問題ないのですが、酔ってくると思考能力が落ちてしまうので、一応覚えておきましょう。

大きな声で会計を頼む

バーは居酒屋のようにガヤガヤしているわけではないので、大きな声で言わなくても大丈夫です。

そもそもバーテンダーはお会計がしやすいように「お次のお飲み物をご用意いたしますか?」などと聞きに伺います。

大声で言うと場の雰囲気を壊しかねないので、もしバーテンダーが近くにいない場合は、バーテンダーのことを見ていればそれに気づいて近くに来てくれるでしょう。

いのかず

基本、気づいていないのはバーテンダーの落ち度です。もし気づいていない場合でも、普通の声量で「お願いします」と声をかけましょう。

「おあいそ」と言う

これは厳密に言えばマナー違反ではありません。しかし、本来「おあいそ」は店側が使う言葉なので、お会計を頼むときは「お会計をお願いします」「チェックをお願いします」「ごちそうさまでした」と言いましょう。

これはバーに限らずどの飲食店でもそうで、社会人としてちゃんと知っておきたい教養でもあります。

いのかず

やはりいい大人なら、スマートで正しい言葉遣いを心がけたいところです。

会計後に長時間居座る

会計が済んだならサッと店を出ましょう。長時間居座ると、後から入ってくる人の席を奪ってしまうことになりますし、バーテンダーも「お次の方がいらっしゃるので、大変申し訳ございませんが、お席を空けていただけますと幸いです」と声をかけます。

いのかず

スマートな人は、すぐに他の人に席を譲ります。

まとめ:バーのマナーやルールは気を使えれば大したことはない

たくさんのマナーをご紹介しましたが、どれも大人ならできて当たり前のことばかりです。

大切なのは「他の人を気遣う」ことだけで、これさえできれば暗黙のルールと言われていることもすべてカバーできます。

いのかず

「バー」という空間は、バーテンダーだけで作れるものではありません。お客様も一緒に素晴らしい空間を作り上げています。

もしこの記事を読んでも「まだ不安なことがある」という人は、書籍を買ってみてもよいでしょう。

著:いしかわ あさこ
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いのかず

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