【度数に注意】ウイスキーのカスクストレングスとは?おすすめの銘柄も紹介
度数の高いウイスキーじゃないと満足できなかった時期もあるいのかず(@InoKazuBlog)です。
カスクストレングス(Cask Strength)
ウイスキーを飲み慣れてくると、徐々に耳にするようになってくる単語ではないでしょうか。
これからもウイスキーを楽しむなら、必ず知っておきたい知識の1つです。
そこで今回の記事では「カスクストレングス」について、バーテンダーである筆者が詳しく解説していきます。
僕が厳選したおすすめの銘柄も合わせてご紹介!
カスクストレングスとは度数を薄めずに製品化したウイスキー
カスクストレングス(Cask Strength)は、樽(Cask)と強さ(Strength)という文字通り、原酒が「樽に入った状態のままのアルコール度数で瓶詰めされたウイスキー」のことを指します。
普通、ウイスキーの度数は40~46%が多いです。
上記の度数のウイスキーは、製品化する際に味にバラつきが出ないよう、樽から原酒を取り出してから加水をし(他の原酒とブレンドも同時におこない)、味を整えてから瓶詰めされます。
しかしカスクストレングスのウイスキーはこの「加水」をせず、樽内の原酒の度数を調整していないウイスキーです。
とはいえ、製品化するときの味を最低限均一にするために、カスクストレングスの原酒同士をブレンドしてから瓶詰めされます。あくまで「加水をしない」というのがカスクストレングスの条件です。
カスクストレングスの特徴や魅力を解説
当たり前ですが、カスクストレングスの最大の特徴はその高い度数です。
アルコール度数は、大体55~65%くらい。
加水されていない分、ウイスキー本来の味わいや香りが凝縮されています。
そのため、銘柄ごとの特徴や個性をダイレクトに感じられるでしょう。
度数40%のウイスキーと比べると、飲んだときの味や香りの情報量が圧倒的に違う!
基本的に、カスクストレングスのウイスキーは少量生産(スモールバッチ)です。
そのため、ボトルにはバッチ(ロットナンバーのようなもの)がつけられていて、リリースごとに度数や味が微妙に違ってきます。
バッチごとに「当たり外れ」があるのも特徴の1つです。とはいえ、そこまで大々的な味の変化はありません。ほとんどが美味しいです。
カスクストレングスの飲みかた
結論から言うと飲みかたは人それぞれで、ロックで飲もうが水割りで飲もうが、個人の自由です。
自分の好みで飲むのが1番ではありますが、とはいえカスクストレングスの最大の特徴は、高い度数でウイスキーの個性をダイレクトに感じられることでもあります。
そのため、個人の自由と言っておきながらなんですが、やはりストレートが1番味わいを楽しめるでしょう。
風味を広げるために、ごく少量の加水をするのもおすすめです。
※お酒に弱い人が無理に飲む必要はまったくありません。必ず水分をたくさん摂り、絶対に無理をせずに飲みましょう。
カスクストレングスのおすすめウイスキー7選
カスクストレングスがリリースされている銘柄は、もとからそんなに多くありません。
その少ない中からも厳選に厳選を重ね、以下の基準でご紹介するウイスキーを選びました。
- 価格が高騰しすぎていない
- 現在でも安定して手に入る
- 価格と味わいのバランスが取れている
今回ご紹介する7つの銘柄は、すべて費用対効果が高いものばかりです。
僕個人の評価にはなりますが、ぜひ参考にしてみてください。
フィンラガン カスクストレングス
原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(アイラ) |
度数 | 58% |
内容量 | 700ml |
味わい | しっかしりたスモークと柑橘の爽やかさ |
フィンラガン カスクストレングスは、中身がどの蒸溜所のウイスキーかわからないように造られているウイスキーです。
中身はカリラという噂がありますが、確かな情報はありません。
度数は58%と強いですが、意外にもアルコール刺激は少なめです。
しっかりとしたスモーキーなフレーバーと、レモンやグレープフルーツのような柑橘の爽やかさ、塩辛さ、バニラや甘草の甘さも感じます。
飲み口は重くなく、味わいに丸みも感じました。
アイリーク カスクストレングス
原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(アイラ) |
度数 | 58% |
内容量 | 700ml |
味わい | しっかりしたスモークと強く豊かな風味 |
アイリーク カスクストレングスは、先ほどご紹介したフィンラガン カスクストレングスと同じ会社がリリースする、どの蒸溜所のウイスキーか伏せられて造られるウイスキーです。
中身はラガヴーリンとも言われていますが、これも確かな情報はありません。
燻製肉のような塩辛さとスモーキーさ、オレンジやナシのようなフルーティーさ、ナッツ、ハチミツやダークチョコのような甘さがあります。
アルコール刺激はありますが、リッチかつパワフルな味わいです。
イーラッハなんて呼ばれたりもします。
トマーティン カスクストレングス
原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
度数 | 57.5% |
内容量 | 700ml |
味わい | 麦の甘さと柑橘系の爽やかさのバランスが良い |
トマーティン カスクストレングスは、1stフィルのシェリー樽とバーボン樽原酒をブレンドして造られています。
フルーティーさと甘さのバランスが良く、豊かな味わいです。
アルコール刺激はそこそこありますが、モルトの甘みやベリー系のフルーティーさ、ショウガやナツメグのような刺激的な風味もあります。
クセがなく飲みやすいですが、味に厚みがあってしっかりとした飲みごたえです。
熟成感はあまりないですが、総合的な評価は高め。
グレンファークラス 105
原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
度数 | 60% |
内容量 | 1L |
味わい | 甘くスパイシーで力強い |
グレンファークラス 105は、シェリー樽とバーボン樽の2つの原酒をブレンドして造られています。
105という数字はイギリス式のアルコール度数表記で、日本の度数表記にすると60%です。
しっかりとシェリー樽が効いていて、ドライフルーツやベリー系の落ち着いたフルーティーさ、やや強めのスパイシーさ、クルミやオークの香ばしい風味を感じます。
アルコール刺激はあるものの、風味がしっかりしていて、厚みのあるリッチな味わいです。
1Lボトルでこの味わい・価格は、かなりコスパが良い!
アベラワー アブーナ
原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(スペイサイド) |
度数 | 60%前後 |
内容量 | 700ml |
味わい | 深い甘さとフルーティーさでパワフルかつリッチ |
アベラワー アブーナは少量生産のウイスキーなので、リリースごとに度数や味が微妙に変わります。
オロロソシェリー樽のみで熟成されているため、ダークチェリーやドライフルーツ、ダークチョコのような深い甘さとフルーティーさ、コショウやショウガのようなスパイシーな味わいです。
とてもリッチで厚みのある味わい、かつクリーミーさも兼ね備えています。
僕が個人的にすごく好きな銘柄でもあります。
ワイルドターキー レアブリード
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
度数 | 58.4% |
内容量 | 700ml |
味わい | パワフルでパンチのある味わいかつコクのある甘さ |
ワイルドターキー レアブリードは、6年・8年・12年熟成の原酒をブレンドして造られます。
キャラメルのような甘さを軸に、ほんのり接着剤のような風味、クローブやシナモンなどのスパイシーさ、パインのようなフルーティーさ、オーク樽由来のウッディさと、複雑でパワフルな味わいです。
王道なバーボンの味ながら、とてもバランスよく仕上がっています。
甘くて強いのに飲み飽きません。
メーカーズマーク カスクストレングス
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
度数 | 55%前後 |
内容量 | 750ml |
味わい | バランスが良く、丸みのある甘さ |
メーカーズマーク カスクストレングスは少量生産のため、リリースごとに度数や味わいが異なります。
口当たりが優しくなめらかで、アルコール刺激はそんなに感じません。
キャラメルやバニラの甘さ、スパイシーさ、オレンジのような爽やかさと、若干のスモーキーさを感じます。
バランスが非常に良く比較的飲みやすいため、カスクストレングス初心者でも比較的試しやすいでしょう。
コスパもけっこう良いです!
まとめ:カスクストレングスは高度数の風味豊かなウイスキー
カスクストレングスはボトリングの際に加水がされていません。
そのため、樽出し原酒のならではの個性豊かな味わいが楽しめます。
お酒に弱い人はなかなか楽しみきれない部分がある世界ですが、少しでも興味が湧いたら、大量の水とともに一度飲んでみるのもよいでしょう。
絶対に無理して飲まないこと!カスクストレングスのウイスキーはそれだけ守って楽しみましょう!
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