モンキーショルダーはどんなブランド?特徴・種類・飲み方・評価など徹底解説
バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
モンキーショルダーは、ボトルに付いている3匹のサルと「サルの肩」と直訳できるネーミングが目を惹くウイスキーブランド。
どんなものなのか、今まで気になっていた人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、「モンキーショルダー」というブランドについて、詳しくご紹介していきます。
「今よりもウイスキーの知識を増やしたい」「自分に合ったウイスキーを選べるようになりたい」という人は、ぜひ最後までご覧ください。
モンキーショルダーはどんなウイスキーブランド?
モンキーショルダーはウィリアム・グラント&サンズ社が製造していて、ミキシング(カクテルや何かで割る)用に造られたウイスキーです。
複数の蒸溜所のモルト原酒のみをブレンド(ヴァッティング)して造られる、ブレンデッドモルトウイスキーという分類になります。
少々説明が長くなる部分があるため、飛ばしたい人は上記リンクから読みたい部分だけを見られます!
モンキーショルダーという名前の由来
モンキーショルダーとは、ウイスキーの製造工程である製麦をフロアモルティング(手作業)でおこなう職人・モルトマンたちが罹る職業病の名前が由来です。
シャベルを使って作業するため、肩に痛みが出始め、痛みを和らげようとして患側の肩を丸め込んだ姿勢がサルのようであることから、モンキーショルダーと名付けられました。
モンキーショルダーというブランド名は、痛みを抱えながらも味を守り抜いてきたモルトマンたちに敬意を表したものなんですね。
ちなみに、現代で製麦工程はほとんどが機械化され、モンキーショルダーを発症する人もいなくなったそうです!
モンキーショルダーに使われる3つのモルト原酒
モンキーショルダーは3つのモルト原酒をブレンドして造られているのですが、いずれもスペイサイドモルトです。
- グレンフィディック
シングルモルトの販売量が世界No.1に輝いた経歴を持つ。フルーティーでスッキリした飲み心地が特徴。 - バルヴェニー
樽の使い方に重点を置いている。豊かな樽香とバランスの良い味わいが特徴。 - キニンヴィ
シングルモルトとしてはほとんど出回らず、幻のスペイサイドモルト。
いずれのモルトも、モンキーショルダーの親会社であるウィリアム・グラント&サンズ社が保有しているブランドです。
キニンヴィは僕も飲んだことがないので、いつか飲んでみたい…。
モンキーショルダーの歴史
2000年代初頭、ウィリアム・グラント&サンズ社はカクテルやミックスドリンクを通じて、スコッチの楽しみ方を広げたいと思っていたそうです。
最適なウイスキーを生み出すために何度も試行錯誤を重ね、27番目のバッチでとうとう思い描いていたウイスキーが出来上がりました。
この「バッチ27」というブレンドナンバーは、今のモンキーショルダーのボトルにも書かれています。
追い求めていた味わいにグレーンウイスキーは必要なく、世界初のブレンデッドモルトという分類を誕生させました。
こうしてモンキーショルダーは2003年に満を持して発売。
当初の「カクテルやミックスドリンクを通じて楽しみを広げる」という目的は果たされ、世界中のバーテンダーがカクテルベースとして愛用しているそうです。
僕もカクテルベースとして使ったことがありますが、確かに馴染みがいいです!
モンキーショルダーの味わいの特徴
モンキーショルダーは、3つのモルト原酒をバランスよくブレンドして造られています。
そのため、味わいのバランスがよく、同時にモルトウイスキーならではの複雑味も感じられるのが特徴です。
熟成年数は長くないはずですが、口当たりはとても優しく、アルコールのアタックも感じません。
後述のラインナップでもご紹介しますが、モンキーショルダーはバニラのような甘みやクリーミーな口当たり、フルーティーな風味といった、バーボン樽熟成のスペイサイドモルト特有の味わいを有しています。
モンキーショルダーの種類(ラインナップ)
モンキーショルダーは、現在2種類の銘柄しか販売していません。
ちなみに、ブランド第2作目となる「スモーキーモンキー」の発売は2017年なので、2003年のブランド発足から14年間は、スタンダードボトルの「モンキーショルダー」のみ販売されていました。
各銘柄の紹介欄には、詳しいレビュー記事へのリンクが貼ってあります。「もっと詳しく知りたい!」という人は、ぜひそちらも併せてご覧ください!
モンキーショルダー
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッドモルト |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
主な受賞歴 | IWSC 2018:金賞 IWSC 2015:トロフィー(最高賞) |
「モンキーショルダー」は価格・味わい・飲み方の汎用性とどれを取っても優秀な万能ウイスキーです。
バニラのような甘み、洋梨のようなフルーティーさ、モルトの風味、優しいオーク香が楽しめます。
「ブレンデッドほど軽くなくて、シングルモルトより飲みやすいのがいい」という人に特におすすめです。
本当に飲みやすいので、これからウイスキーを飲みたいと思っている人に、ちょっとしたプレゼントとして贈るのもいいかもしれませんね。
スモーキーモンキー
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッドモルト |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
主な受賞歴 | ISC 2020:金賞 IWSC 2022:銀賞 |
「スモーキーモンキー」は、ピートタイプ・ノンピートタイプの2種類のモルト原酒を使って造られた、料飲店向けの商品です。
現在ではネットでも手に入りますが、希望小売価格の4,500円(税別)よりも高値となっています。
バニラのような甘み、乾いたスモーキーさ、オレンジのような爽やかさ、ナッツやスパイスのような芳ばしさが楽しめるでしょう。
しっかりとしたスモーキーさがありますが、バランスがよく、アイラモルトと比べると飲みやすいですよ。
モンキーショルダーの評価
個人的な評価としては、公式がカクテル用と謳っているだけあって、どの飲み方にも対応できる万能さを感じました。
ウイスキーの質も高く、家飲み・バーシーンのどちらでも活躍できます。
定価ならコスパもよく、一度試してみても損はしません。
2種類飲んでみて、概ね高評価です!
ここからは、世間の評価を詳しく見ていきましょう。
世界的な評価
世界中で開催される権威ある酒類コンペティションに、モンキーショルダーも毎年出品されています。
毎年のように何かしらの賞を受賞しているため、世界的に評価が高いのは言うまでもありません。
しかし最高賞にはなかなか手が届かず、あと少し抜きん出る何かがあったらな、というところでしょうか。
各銘柄の主な受賞歴はレビューページに記載していますので、詳しく知りたい人は再度ご覧ください!
SNS上の評価
モンキーショルダーがSNS上でどのような評価を受けているのか、良い評価と悪い評価をご紹介します。
「モンキーショルダー」はコスパのよさや飲みやすさが評価されていて、「スモーキーモンキー」は飲みやすさとバランスの良さが評価されていました。
どちらの銘柄もソーダ割り(ハイボール)で飲んでいる人が多かったですが、他の飲み方でも美味しいので、ぜひ試してみてください。
モンキーショルダーのおすすめの飲み方
カクテルやミックス用に造られたウイスキーですが、お酒に強いならまずはストレートで飲んでみましょう。
輪郭や味わいの構成がわかるはずです。
ストレートだと強いという人は、常温の水とウイスキーを1:1で割るトワイスアップも試してみてください。
水割りやソーダ割りにしても馴染みがよく、なめらかな口当たりとモルティかつフルーティーな風味が楽しめます。
少し贅沢ですが、家でカクテルを作る人はカクテルベースとしても使ってみましょう。
つまるところ、どの飲み方もおすすめ!
モンキーショルダーのまとめ
スコッチのウイスキーブランド「モンキーショルダー」に関して、覚えておきたいことをまとめました。
- 3種類のスペイサイドモルトを使ったブレンデッドモルトウイスキー
- 使われるモルトは「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴィ」
- カクテル・ミックスドリンク用に造られた
2種類の銘柄がありますが、どちらもウイスキー初心者や、家飲みでいろんな飲み方をする人、飲みやすいウイスキーを探している人にピッタリです。
世界的にもSNS上でも、非常に評価の高い銘柄ですので、これを機にぜひ一度飲んでみてはいかがでしょうか。
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