「家でカクテルを作ってみたい!」と思ったとき、まずはカクテルを作るための道具である「バーツール」を揃えなければいけません。
しかし、ネットを見てもバーツールの種類が多すぎて、どんなもの揃えればいいのか、どれを選ぶべきなのか迷ってしまうでしょう。
そこで今回の記事では、バーテンダーである筆者が「家でカクテルを作る人におすすめのバーツール(道具)」をご紹介します。
- 家で美味しいカクテルを作ってみたい人
- まずはどのバーツールから揃えればいいのかわからない人
- 商品が多くてどのバーツールを選べばいいのか迷っている人
家にバーツールとお酒があれば、その日の気分で飲みたいお酒が自分で作れるようになりますし、来客時にサッとカクテルが出せるようになります。
下手なものを買って後悔しないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

ちなみに、カクテルメイクの動画をTwitterで公開していますので、ぜひフォローをお願いします!
バーツールをセットで買うかバラで買うか?それぞれのメリット・デメリットを紹介


Amazonなどの通販サイトを見ると、バーツールがセットになったものが売られています。いろいろ見ていると「セットとバラのどっちで買ったほうがいいの?」という疑問が出てきますよね。
結論から言うと、個人的にはバラで買うのがおすすめです。その理由を、セットとバラのそれぞれのメリット・デメリットを交えて解説していきます。
バーツールをセットで買うメリット・デメリット
セット売りしているものは、安いものだとバラで揃えるときの約半額で買えるものもあります。「とにかく安く揃えたい!」「いろいろ探すのが面倒!」という人にはおすすめですが、正直、バーツール自体は質の高いものではありません。
「もう少し使いやすいバーツールが欲しい」と感じてきたときに買い換えることにもなるので、ちゃんとカクテルを作っていきたいと考えている人は結局出費が増えてしまうでしょう。



見た目は格好いいですが、実用性はそんなに無いかも…
バーツールをバラで買うメリット・デメリット
バーツールをバラで揃えるときの上記デメリットですが、実は今回の記事を読めばデメリットではなくなります。
基本自分が作りたいカクテルで使うバーツール以外は揃える必要はありませんし、ほとんどの人が一式揃えるまでいきません。自分で1からバーツールを探すとなるとたしかに時間がかかりますが、この記事内で紹介するバーツールはずっと使えて、かつ間違いのないセレクトだと自負しています。



だからと言って、高いものばかりではないので安心してください!普通に安くて良いものもたくさん紹介しています。
絶対に持っておきたい2つのバーツール


どのカクテルや水割り・ソーダ割り(ハイボール)を作るときにも必要になってくるのが、以下の2つのバーツールです。
- メジャーカップ
- バースプーン
無くても一応はカクテルを作れますが、無いと「美味しく作る」のはほぼ不可能です。



カクテル初心者から上級者まで全員が使います!まずはこの2つから揃えましょう!
メジャーカップ


メジャーカップはお酒を量るための道具です。
カクテルには基本的なレシピ(分量)があるため、正確にお酒が量れないと、作るたびにまったく味の違うカクテルが出来上がることになります。
中でもおすすめなのが、10ml,20mlと15ml,30mlの分量に目盛りが付いているメジャーカップです。カクテルの分量は基本10ml単位か15ml単位で量ります。



最初はスタンダードな分量で作ってみましょう!ある程度美味しく作れるようになってから自分好みの分量を研究するとよいです。基礎無くして応用無し!


バースプーン


バースプーンはお酒を攪拌するための道具です。
マドラーでも一応は代用できますが、マドラーはただ液体を「回す」だけで、「混ざり」はしません。バースプーンを使えばお酒をしっかり混ぜ合わせることができます。
混ざっていないカクテルは口当たりが重く、時間経過とともに味がバラバラになり、美味しくありません。
さまざまな長さの商品がありますが、おすすめなのは35cm~40cmで螺旋が強いのものです。30cmだと短すぎてステア(お酒を混ぜる手法)がしづらく、螺旋が荒いと使うときに指が痛くなります。



バースプーンの使いかた(ステアの仕方)は、Twitterのこちらの動画で解説してるので、参考にしてみてください!


レベルアップしたい人が買うべき3つのバーツール


「まだシェーカーなどの本格的なバーツールはいらないけど、簡単なカクテルをより美味しく作りたい!」と、少しレベルアップしたいと思っている人におすすめなのが、以下の3つのバーツールです。
- スクイーザー
- シズラー
- アイストング
カクテルは少しの手間をかけるだけで味のクオリティが上がります。



お金もプラスでかかるし面倒も増えるけど、それだけの価値はあります!
スクイーザー


スクイーザーは、レモン・ライムを搾るための道具です。
レモン・ライムはさまざまなカクテルに使用されるので、持っておいて損はありません。
カクテル初心者は瓶に入った濃縮還元のレモンジュース等を使う人が多いですが、フレッシュなものを使ったほうがナチュラルな味わいで断然美味しく作れます。
おすすめなのはガラス製で先端がなるべく鋭いものです。ガラス製は取り扱いがしやすく、耐久性もあります。また、先端が太いとレモン・ライムがスクイーザーにうまく刺さらず、しっかりと果汁が搾り出せません。



正しいレモンの搾りかた・スクイーザーの使いかたをTwitterのこちらの動画で紹介しています!動画内で使っている茶こしと容器もリンクを貼っておきますので、一緒に揃えると便利です。


\搾った果汁を濾すと口当たりの良さがアップ/


\果汁入れにピッタリ/


シズラー


シズラーは、栓抜きとストッパーの機能が一体になった商品です。
カクテルレシピにソーダやジンジャーエールがよく使われますが、少しでも美味しくカクテルを作りたいと思ったら、ペットボトルタイプではなく、瓶タイプを使うことをおすすめします。瓶タイプは容量が少なく、炭酸が抜けづらいからです。
容量を考えるとペットボトルタイプよりも価格は上がりますが、バーテンダーが瓶タイプを使うのにはこのような理由があります。



一杯のカクテルにそんなに量を使わないので「気が抜けて無駄になった」ということが減ります!


アイストング


アイストングはその名の通り、氷をつかむトングです。
カクテルを作るとき、氷を入れる際に手で入れてしまうと中の液体が跳ねることがあります。しかも、手だとそもそも氷を入れづらいですし、衛生的にもよくありません。
アイストングで氷を入れればグラスも傷つかないので、カクテルをよく作るようになったら1つ持っておくことをおすすめします。



マストではありませんが、とても便利です!


本格的なカクテルが作りたい人向けのバーツール2選


いろんなカクテルを試してみて「そろそろバーでしか飲めないような本格的なカクテルが作りたい!」と思い始めたら買うべきなのが、以下のバーツールです。
- 3ピースシェーカー
- ミキシンググラス
カクテルの幅が一気に広がるので、家でもバーテンダーのようにお酒が作りたい人はぜひ持っておきましょう。



家でこれらのバーツールがちゃんと扱えたらカッコいいですよね!
3ピースシェーカー


シェーカーには2ピースのものと3ピースのものがありますが、一般的なカクテルに使われるのは3ピースシェーカーです。液体を急激に冷やし空気を含ませることで口当たりを柔らかくし、混ざりづらい材料同士を一体にするために使われます。
基本となる持ちかたや振りかたはありますが、手の大きさや自分の体格に合った使いかたは人それぞれです。最初は扱いづらいと思いますが、徐々に慣れていきましょう。
おすすめなのは360mlのものです。1~2杯なら作れますし、これより小さくても大きくても使いづらいでしょう。
また、バロンシェーカー(縦に長いシェーカー)など、シェーカーにもいろんな形がありますが、丸みを帯びたスタンダードな形状のものが扱いやすいです。



実際にどんな感じで振っているのかはTwitterでいろんな動画を出しているので、ぜひ参考にしてみてください!


ミキシンググラス


ミキシンググラスは、比較的混ざりやすい材料同士を混ぜ合わせたり、材料の良さを引き立ててカクテルを作りたいときに使うバーツールです。
カクテルの王様「マティーニ」や、カクテルの女王「マンハッタン」など、ミキシンググラスで作るカクテルはシンプルでごまかしが効かないものが多く、テアのカクテルはかなり技術が必要になります。
液体の状態が見え、手からの熱伝導もしづらいので、ステンレス製のものよりもガラス製がおすすめです。



液体を濾すための「ストレーナー」も忘れずに用意しましょう!実際にどんな感じで使っているのかはTwitterでいろんな動画を出しているので、ぜひ参考にしてみてください!




さらにカクテルのバリエーションを増やしたい人向けのバーツール3選


スタンダードカクテルよりもさらにステップアップして「全部のカクテルを作りたい!」というストイックな人におすすめなのが、以下の3つのバーツールです。
- ボストンシェーカー
- ブレンダー
- ペストル
ここまで来ると扱う器具はプロと同等です。美味しく、美しくカクテルを作れるように尽力していきましょう。



ガチンコで作る人以外には持て余してしまうものなので、ほとんどの人は必要ないかと思います。
ボストンシェーカー(2ピースシェーカー)


小さいボディ(ショートティン)と大きいボディ(ロングティン)の2ピースに分かれたシェーカーが「ボストンシェーカー」です。
フレッシュフルーツカクテルや、空気をたくさん含ませたいカクテルを作るときに使われます。
扱うのが難しく、慣れないと上手く振れないだけではなく、中身がこぼれてしまうことも。
ガラス製とステンレス製がありますが、おすすめなのはステンレス製です。割れませんし、軽くて扱いやすく、保管もしやすいでしょう。



振りかたはいろんなスタイルがありますが、僕のやりかたはTwitterで何本か動画を出しているので、ぜひ参考にしてみてください!


ブレンダー(ミキサー)


ブレンダーは主に、フレッシュフルーツカクテルを作るときにフルーツを液状にするために使われるバーツールです。
バーツールとしてではなく、調理器具として持っている人も多いでしょう。
ミキサータイプでもハンドブレンダータイプでもどちらでも良いですが、今回ご紹介するのはサイズ・収納・静音性・使い勝手の良さと、四拍子揃ったミキサータイプのものです。また、1人暮らしにぴったりのサイズでもあります。



こちらもTwitterで何本か使っている動画があります!


ペストル


ペストルは、ミントや果実をすりつぶすときに使うマッシャーの機能があるバーツールです。
ペストルを使うカクテルはかなり限られていて、一般的にはホワイトラムベースの「モヒート」やカシャーサベースの「カイピリーニャ」くらいなので、自宅だと持て余す人が多いでしょう。
形状・長さともにさまざまな種類がありますが、ペストルに至ってはおすすめはあまりなく、自分の好みでかまいません。深いグラスやロングティンに材料を入れて使いたければ25~30cmなど長めがいいですし、通常のタンブラーやショートティンを使うのであれば、20cm程度で十分です。



ちなみに僕が1番最後に揃えたバーツールはペストルでした。そのくらい使いません。


補助的にあると便利なバーツール4選


どれもマストではありませんが「あったらやっぱり便利だなあ」と感じるのが、以下の4つのバーツールです。
- グラスクロス
- アイスピック
- カクテルピン
- ペティナイフ
カクテルメイクの補助になったり、バーツールやグラスの管理が楽になるものばかりです。



余裕があったら揃えてみましょう!優先順位で言えば低いです!
グラスクロス


グラスクロスは、その名の通りグラスを拭くためのクロスです。
カクテルに使うグラスに水垢が付いたままだと、見栄えも良くないですし、なにより不潔に感じます。匂いが残ったりしていることもあり、せっかくのカクテルが台無しになってしまう場合も。
そんなときにグラスクロスでグラスを拭けば、グラスを美しく清潔に保てます。
おすすめなのはなるべく長めのサイズで、長いと単純にどんなグラス・バーツールでも拭きやすく、使いやすいからです。



グラスクロスを洗うときは柔軟剤は使用しないでください!吸水率がさがります!また、洗い物はなるべく高温のお湯ですると、グラスクロスを使ったときの水はけが良くなります!


アイスピック


アイスピックは氷を割ったり、くっついた氷同士を引き剥がすのに使うバーツールです。
包丁でも代用できるため買う優先度は低いですが、取り扱いしやすいので、持っておいても良いでしょう。
おすすめのものは特になく、安いものでもかまいません。自分好みのデザインや大きさで決めましょう。



僕も店ではよく使いますが、自宅ではあまり使いません。


カクテルピン


カクテルピンは、カクテルのガーニッシュ(飾り付け)で使うオリーブやチェリーを刺すときに使うバーツールです。
用途は限られますが、本格的なカクテルを作りたい人は持っておいてもよいでしょう。
おすすめなのは、あまりピンヘッドの部分が重くないものです。重いとガーニッシュで刺した材料よりもヘッドが重くなり、グラスのサイズによってはピンがグラスの外へ落ちてしまいます。



マティーニやマンハッタンを作りたい人は必須です!


ペティナイフ


ペティナイフは、フルーツをカットするときに使うバーツールです。調理にも使えるので、1本持っておいても損はありません。
レモンやライムを切るときも包丁だと大きくて扱いづらいので、薄く切るならペティナイフのほうが使いやすいです。
おすすめは特になく、価格や素材など自分好みのチョイスをしましょう。



切れ味が悪くなったとき用に、砥石を持っておくのがおすすめです!毎日研ぎたい人でなければ、中砥だけあればだいたい事足りるイメージです。




まとめ:バーツールは必要なものだけ揃えて持て余さないようにしよう!
今回の記事では、レベル別に必要なバーツールをご紹介しました。
自分の作らないカクテルで使うようなバーツールを持っていても、保管場所やお金を消費するばかりで良いことはありません。そのため家でカクテルを作るなら、自分に見合ったバーツールだけを持っておくのが大切です。
今回の記事が参考になり、自分にピッタリのバーツールが見つかれば幸いです。
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