レビュー|カバラン ディスティラリーセレクト No.1【南国系の個性的なフルーティーさ】


バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
今回の記事では、台湾のシングルモルト「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」についてレビュー・評価をしていきます。
ウイスキーを買うときになるべく失敗したくない!という人は、ぜひ最後までご覧ください。
※このレビュー・評価は2025/8/6時点のものです。


- トロピカルなフルーティーさが楽しめる
- 比較的安価で台湾ウイスキーの特徴がしっかりと感じられる
- 初めて飲むときに驚きや感動を覚える
- 飲みごたえはあまりない
- 樽由来の風味が強く、飲み方によってはエグみを感じる


カバラン ディスティラリーセレクト No.1とは


- 生産国
-
台湾
- 分類
-
シングルモルト
- 容量 / 度数
-
700mL / 40%
- 熟成樽
-
- バーボン樽のリフィル樽
- シェリー樽のリフィル樽
- 主な受賞歴
-
「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」は、台湾のカバラン蒸留所が2018年に発売した、同蒸留所の中で1番お手軽な価格で購入できるウイスキーです。
台湾の亜熱帯気候はスコットランドなど他のウイスキー産地の気候と比べ、ウイスキーの熟成を3〜4倍速めるといわれており、本銘柄もノンエイジではあるものの、スコッチの12年熟成となんら変わりない熟成感があります。



カバランの中でもっとも核となる銘柄は、最初に発売された「カバラン クラシック」ですが、こちらは約9,000円するので、手軽にカバランの特徴を感じたいという人は、本銘柄から試してみましょう!
カバラン ディスティラリーセレクト No.1の評価・レビュー


バーテンダーである筆者が「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」を実際に飲んだときの評価・レビューをします。



どんな味わいか・どんな飲み方がおすすめなのか・どこがおすすめのウイスキーなのかを詳しくご紹介!
テイスティングレビュー
※数値が高い=良いウイスキーではありません
- 香り
-
フルーティーでアルコール感はあまりない。
バニラ、オレンジ、パイン、リンゴ、オーク香。 - 味わい
-
短熟ながらもしっかりとした味わいで、酒質はややライトめ。
バニラ、パイン、リンゴ、わずかにハーブ、スパイス、オーク香。 - 余韻
-
フルーティーさとスパイシーさ、ほんのりビターなオーク香がほどよく続く。
「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」の味わいは、トロピカルなフルーティーさが特徴です。
青リンゴや洋梨、ドライフルーツなど、他のウイスキーでよく感じられるようなフルーティーさとは違い、ほんのり酸味を伴った明るい雰囲気が感じられます。
度数が40%と低めで、かつボディがやや薄めということもあり、飲み応えや満足感はそこまでありません。
しかし、個性はしっかりと感じられますし、変なクセもなく、質の高さは感じられます。



飲みづらさはないため、ウイスキー初心者や台湾のウイスキーが未体験の人でも、気兼ねなく飲めるでしょう!
飲み方別の評価
自分がいつもしている飲み方に合うウイスキーなのか、ぜひ参考にしてみてください。
ストレート
銘柄の個性をしっかりと感じられる。まず1回はストレートで飲んでおきたい。
おすすめ度
トワイスアップ
1:1だと酸味が立つのと、やや物足りなさを感じる。少量加水だとトロピカルなフルーティーさをハッキリと感じられるため、おすすめ度は3.5。
おすすめ度
ロック
独特のトロピカルなフルーティーさがしっかりと感じられる。樽の風味が強く出るが、そこまでネガティブではない。ほんの少しだけ加水が進んだタイミングが1番おいしい。
おすすめ度
水割り
トロピカル感はよく味わえるが、酸味が強く出てバランスが非常に悪い。
おすすめ度
ソーダ割り
水割りで強く感じた酸味も、ソーダ割りにすると爽やかな印象に。パッションフルーツのようなフルーティーさと酸味が、スッキリとした飲み心地を後押ししている。
おすすめ度
酸味やエグみが突出したり、各風味がバランスよく収まったりと、飲み方ごとに樽の風味が大きく変化する印象です。
ロックは時間経過でどんどん味わいが変化しますし、ストレートに加える水の量も1mL単位でガラッと印象が変わるため、ある種のおもしろさを感じます。
水割り以外ならおいしく飲めると思いますので、ぜひいろいろな飲み方を試してみましょう。



こんなに水割りに合わない銘柄は、逆に飲んだことがありませんでした。笑
総合評価
「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」は、トロピカルな味わいが楽しめる、非常に個性的なウイスキーです。
他の生産国とは異なった味わいが感じられますし、5,000円以内で買えるのはけっこう嬉しいポイント。
やや飲み応えに欠ける部分や、繊細すぎて扱いがやや難しい点で総合評価の点数が伸び切りませんでしたが、それでも味わいの満足度やコスパといった点で評価は高めです。
独特なウッディさはあるものの、幅広い人が楽しめるような味わいですので、5大ウイスキー(アイリッシュ・スコッチ・アメリカン・ジャパニーズ・カナディアン)しか飲んだことのない人は、ぜひ一度飲んでみましょう。
カバラン ディスティラリーセレクト No.2との違い


「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」と「カバラン ディスティラリーセレクト No.2」は、ベースの味わいは少し似ているものの、甘さやフルーティーさ、樽香など、個々の風味のニュアンスや強弱が異なります。
No.1はトロピカルなフルーティーさが強く、No.2は青リンゴのようなジューシーなフルーティーさが感じられました。
個性や甘さ、飲みやすさとしてはNo.1に軍配が上がりますが、味わいの厚みやバランスの良さはNo.2のほうがあるように感じます。
どちらを買うか迷ってしまう人は、以下の点を意識するとよいでしょう。



個人的にはNo.1のほうが好みでした!No.2は、一般的なバーボン樽系のウイスキーとの差があまり感じられませんでしたし、コスパで言ってもNo.1のほうが高く感じたからです。
カバラン ディスティラリーセレクト No.1の評価まとめ
今回は、台湾のシングルモルト「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」についてご紹介しました。
- ノンエイジながらも、スコッチの12年熟成となんら変わりない熟成感
- 他の生産国にはない、トロピカルな独特のフルーティーさが楽しめる
- 樽の風味が強く、酸味も強いため、水割りとトワイスアップは要注意
台湾のウイスキーは、世界的に見ても非常に高い評価を受けているウイスキーばかりです。
世界的なコンペティションに出品すれば、毎年のように好成績を残しています。
本銘柄もその人気と評価に違わない、素晴らしい個性と味わいがありますので、まだ台湾のウイスキーを飲んだことのない人は、ぜひ一度飲んでみることを強くおすすめします。



僕が初めて飲んだのはリリースして間もない時でしたが、「こんなウイスキーがあるのか!」と驚き&感動したのをよく覚えています。今あらためて飲んでも、やはりその個性とおもしろさは健在でした。


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