フードペアリングを家でやってみたい
食事中にもカクテルが飲みたい
「肉=赤ワイン、魚=白ワイン」のように、料理とお酒を一緒に楽しむことを「ペアリング」と言います。近年、カクテルとのペアリングが話題になってきていて、実際にペアリングを取り入れているバーも多くなりました。
そこで今回は、現役バーテンダーである僕「いのかず」と、現役料理人の「yaffeeさん」のコラボ記事として、
- ウイスキーカクテルのペアリングについて
- 家でも簡単に作れるウイスキーカクテル
- そのカクテルに合う食材とレシピ例
について、yaffeeさんの意見も交えて紹介していきます。
この記事を見れば、家でも簡単に作れるウイスキーベースカクテルと、相性のいい食材・料理がわかります。
今回コラボする【yaffeeさん】をご紹介
有名イタリア料理店で修業中、料理に使ったウイスキーの香りに興味をひかれて以来、ウイスキーの魅力に取りつかれた本職料理人のウイスキーブロガー。現在都内のバーラウンジキッチンで働いている。
- ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル
- ウイスキー文化研究所認定ウイスキーレクチャラー
- TWSC 2021(Tokyo Whisky & Spirits Competition)審査員
料理人ならではの視点からウイスキーの魅力について日々ブログにて配信中。
\yaffeeさんのブログ/
Yaffee’s Whisky Blog
そもそも料理とウイスキーカクテルって合うの?
よく居酒屋では「ハイボール」と「揚げ物」を一緒に楽しんだりしますが、がっつり「ウイスキーベースカクテル」となると、料理に合わせられるのでしょうか?
結論から言うと、合わせられるけど家でやるには難易度が高いです。
いわゆる「家庭料理」と合わせるには、しっかりロジックを組み立てないとバランスが整いづらくなってしまいます。
- カクテルと料理の”味の系統”の一致・不一致
- 味わい・香りのバランス
- カクテルと料理の材料同士の補正・相乗効果
組み立てるロジックの例として、これらのことが挙げられます。
【yaffeeさんと考える】ウイスキーカクテルのフードペアリングについて
いきなり「ウイスキーカクテルと料理」で考えてしまうと、合わせる難易度が高くなってしまうので、まずはそれぞれの材料を分解し、相性を考えて、少しずつ紐解いていきます。
- ウイスキーと食材の相性
- カクテルの材料と食材の相性
- カクテルの味わいと料理の相性
このように順を追って考えていくと、だんだんと相性のいいものがわかってくるでしょう。

それぞれが邪魔することなくお互いを引き立て、片方が主張しすぎないバランスを考えることが1番大切ですね。
ウイスキーのフードペアリングは下のリンクから!

1.ウイスキーに合う食材を選ぶポイント
まず始めの段階として、ウイスキーに食材を合わせるとき、何を考えるべきかを見ていきましょう。


バーや居酒屋で出される料理は、一般的な家庭料理と比べて味の強いものが多いです。これは、お酒の味に負けないような味付け、材料を使っているから。
ちなみに、他の理由として「酔うと味覚が鈍ってくる」というのもあります。
ポイントまとめ
- そもそもウイスキーは味が強い
- 「ウイスキーに負けない強さ」を持つ食材を選ぶ
- カクテルにする場合「カクテルの材料に負けない強さ」のある食材を選ぶ
2.食材に合うウイスキーを選ぶポイント
次は逆に「食材に合わせるウイスキー」を選ぶポイントを考えていきましょう。

フレーバーがうまくマッチしないと、むしろ別々に楽しんだほうがよくなってしまいます。
そうならないためにも、組み合わせはしっかりと考えましょう。
ポイントまとめ
- それぞれ同系統のフレーバーを選ぶ
- リンゴ系フレーバーウイスキー=リンゴというように、ウイスキーの味を食材と考え、食材同士の組み合わせとして合うものを選ぶ
- 対極すぎるフレーバー同士は基本的に合わない
3.どんなウイスキーが合わせやすいのか
ウイスキーと食材を合わせるときのポイントが分かりました。しかし、料理にマッチさせるためにウイスキーを家に何本も置くのは現実的ではありません。
そこで「どんなウイスキーを置いておけば汎用的に使えるのか」をご紹介します。

yaffeeさんが挙げた「バランスのいいウイスキー」は、バーテンダーがウイスキーベースのカクテルにブレンデッドをよく使うのと同じことです。
ブレンデッドウイスキーはカクテルベースとして非常に優秀で、酒質が軽めで親和性が高く、他の材料の邪魔をしません。
ポイントまとめ
- スペイサイドモルトやアイリッシュ ウイスキーは食材や料理に合いやすい
- カクテルを作るときにはブレンデッドウイスキーが合いやすい
- 難易度は高いが、クセの強いアイラモルトなどでもペアリングできる組み合わせがある(カクテルも同様)
家で作れるウイスキーカクテルと合う食材・おつまみの例を紹介
実際にフードペアリングをするためのウイスキーカクテルと、合う食材、料理例をご紹介します。
カクテルはシェーカーなどの本格的な道具が必要なく、家でも簡単に作れるものを厳選しました。

カクテルについての詳しい解説は下の記事にて!

マミーテイラー
材料
レシピ
- 冷えたグラスにウイスキー・ライムジュースを入れる
- 氷を入れ、材料がよく馴染むまでステア
- ジンジャーエールで満たして、最後に1回ステア
マミーテイラーに合う食材とおつまみ
リンゴ

料理例:鶏肉のソテー リンゴのソース、アップルパイ
豚肉

料理例:豚の照り焼き、豚の角煮
唐辛子

料理例:麻婆豆腐、豚キムチ
バノックバーン
材料
レシピ
- 黒胡椒以外の材料をロックグラスまたはタンブラーに入れ、氷を加える
- 材料がよく馴染むまでステア
- 最後に黒胡椒を振りかける
バノックバーンに合う食材とおつまみ
味噌・醤油

料理例:鶏の味噌焼き、、味噌まんじゅう、幽庵焼き
貝類

料理例:アサリの酒蒸し、カキフライ
キュウリ

料理例:キュウリの浅漬け、わかめとキュウリの和え物
ベーコン

料理例:アスパラのベーコン巻、カリカリベーコン
ワサビ

料理例:葉ワサビのおひたし、わさび豆腐
ゴッドファーザー
材料
- スコッチウイスキー:45ml
- アマレットリキュール:15ml
レシピ
- ロックグラスに丸氷を入れてから、すべての材料を入れる
- 材料がしっかり混ざるよう、しっかりとステアする
ゴッドファーザーに合う食材とおつまみ
カボチャ

料理例:カボチャプリン、カボチャの甘辛煮
ショウガ

料理例:新ショウガの砂糖漬け、生姜とリンゴのムースケーキ
オールドファッションド
材料
- バーボンウイスキー:45ml
- アロマティック ビターズ:3dash
- シュガー(角砂糖):1tsp(1個)
- お好みでソーダ:適量(少量)
- 副材料:レモンなどのスライス(ドライタイプでも可)、チェリー
レシピ
- ロックグラスにウイスキーとビターズ、シュガーを1tsp入れる
- 氷を入れ、材料が馴染むまでステアをする
- ソーダを少量加え、最後に1回ステアする
- 副材料を入れる
オールドファッションドに合う食材とおつまみ
アーモンド

料理例:素焼きアーモンド、ブラマンジェ
コーヒー

料理例:コーヒーゼリー、エスプレッソムース
ブールバルディエ
材料
レシピ
- ロックグラスに丸氷を入れ、すべての材料を入れる
- 材料が馴染むまで、しっかりとステアする
ブールバルディエに合う食材とおつまみ
アンディーブ

料理例:アンディーブサラダ
チョコレート

料理例:生チョコ、ボンボンショコラ
ベネディクト
材料
レシピ
- ロックグラスに丸氷を入れ、ジンジャーエール以外の材料を入れる
- 材料がしっかり馴染むまでステア
- ジンジャーエールを少量入れ、最後に1回ステア
ベネディクトに合う食材とおつまみ
セージ

料理例:サルティンボッカ、セージ香る鶏肉のソテー、アボカドとセージのフリット
豚肉(ヒレ)

料理例:豚肉のソテー、豚ヒレステーキ
カウボーイ
材料
- バーボンウイスキー:45ml
- 牛乳:適量
- シュガー:1tsp
作りかた
- グラスに丸氷を入れ、すべての材料を入れる
- 材料が馴染むまでステアをする
カウボーイに合う食材とおつまみ
マンゴー

料理例:マンゴープリン、マンゴームース
バニラ

料理例:バニラアイス、バニラプリン
鶏肉

料理例:フライドチキン、蒸し鶏
アイリッシュコーヒー
材料
- アイリッシュウイスキー:30ml
- 砂糖:適量
- コーヒー:適量
- 生クリーム:適量
レシピ
- インスタントコーヒーを作り、砂糖を加える
- ウイスキーを入れ、混ぜる
- 生クリームを上に浮かべる
アイリッシュコーヒーに合う食材とおつまみ
カシス

料理例:カシスのムース、カシスのレアチーズケーキ
ヘーゼルナッツ

料理例:ヘーゼルナッツのプリン
ホットウイスキートディ
材料
レシピ
- ミルクパンに副材料以外の材料を入れる
- 軽く混ぜながら、沸騰しないくらい(鍋の縁が少し泡立つくらい)まで火にかける
- カップに移し、副材料を入れる
ホットウイスキートディに合う食材とおつまみ
イチジク

料理例:クリームチーズとイチジクのオープンサンド、イチジクのグラタン
アンズ

料理例:アプリコットのパンナコッタ、アプリコットケーキ
カクテルベースにおすすめのウイスキーを紹介!
ベースとして使うウイスキーが「どの銘柄でも合うか」と言われたら、そうではありません。
なので、カクテルベースとして間違いないウイスキーを、合わせるカクテルと一緒にご紹介していきます。
デュワーズ 12年
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
価格帯 | 2,500円程度 |
合うカクテル | ゴッドファーザー・ベネディクト・ホットウイスキートディ・ゲーリックコーヒー |
【デュワーズ 12年】はカクテルベースだけではなく、ハイボールで飲んでもおいしいので、持っておいて損はありません。カクテルを品よく仕上げたいときにおすすめです。
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
価格帯 | 2,000円程度 |
合うカクテル | マミーテイラー・バノックバーン・ゴッドファーザー |
【ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年】はそのスモーキーなフレーバーから、他の材料の味が強いカクテルにおすすめです。
メーカーズマーク
原産国 | アメリカ |
分類 | バーボン |
容量 | 700ml |
度数 | 45% |
価格帯 | 2,500円程度 |
合うカクテル | マミーテイラー(バーボンver.)・オールドファッションド・ブールバルディエ・カウボーイ |
【メーカーズマーク】は、しっかりとした樽香と、バニラやキャラメルのような甘みが特徴のウイスキーです。バーボンベースのカクテルならどのカクテルに使ってもある程度間違いないでしょう。
ジェムソン
原産国 | アイルランド |
分類 | ブレンデッド |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
価格帯 | 2,000円弱 |
合うカクテル | マミーテイラー(アイリッシュver.)・アイリッシュコーヒー |
【ジェムソン】はアイリッシュの中で1番スタンダードなウイスキーで、クセがなくキレのよい味わいです。ハイボールにもおすすめ!
ウイスキーカクテルのフードペアリングは自由度が高い!
ウイスキーカクテルのペアリングはけっこう意外な食材が挙がっていて、料理人ならではの解説がとても参考になりましたね。
・この記事のまとめ
- カクテルのフレーバーと食材の相性、味・香りの強さのバランスがとても重要
- カクテルと料理の味の組み合わせだけでなく、カクテルの材料と食材との組み合わせを考える
- 難しく考えず、いろいろ試してみると意外と合う組み合わせが見つかる

\今回コラボしたyaffeeさんのブログ/
Yaffee’s Whisky Blog
Comment