レビュー|グレンドロナック 12年【シェリー系ウイスキーの決定番】
バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。先日、ドロナックのラベルリニューアルに際して行われたセミナーに参加したので、再レビューです。
今回の記事では、スコッチウイスキーのハイランドモルト「グレンドロナック 12年」についてレビュー・評価をしていきます。
ウイスキーを買うときになるべく失敗したくない!という人は、ぜひ最後までご覧ください。
※このレビュー・評価は2024/11/1時点のものです。
- 12年熟成ながらもリッチで芳醇な風味
- ドライフルーツのような上品で落ち着いた甘さが楽しめる
- スパイシーな余韻もあり、甘々すぎない
- 12年熟成としては高価
- 飲み方に汎用性がない
グレンドロナック 12年とは
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(ハイランド)
【内容量・度数】
700mL / 43%
【熟成樽】
- オロロソ樽
- ペドロ・ヒメネス樽
【主な受賞歴】
「グレンドロナック 12年」は、スコットランドのハイランド地方にある「グレンドロナック蒸溜所」で造られる、ハイランドシングルモルトです。
オロロソの樽とペドロ・ヒメネスの樽の、2種類のシェリー樽を使って造られます。
シェリー酒は、スペイン南部のアンダルシア地方で造られる、酒精強化ワインの一種です。醸造の途中でアルコールを加えるため、アルコール度数が一般的なワインよりも高くなっています。
グレンドロナックにも使われる2種類のシェリーの特徴を、以下にまとめました。
- オロロソ (Oloroso)
-
ナッツのように芳ばしく、リッチでコクのある辛口タイプ。酵母の層なしで酸化熟成して造られる。
- ペドロ・ヒメネス (Pedro Ximénez)
-
トロッとした口当たりの極甘口タイプ。ペドロ・ヒメネス種のブドウを天日干しすることで糖度を高めて造られる。頭文字を取ってPXと略されることも。
同蒸溜所のウイスキーの中ではエントリーモデルとして位置していて、シェリー樽熟成のスコッチとしては絶対に外せない、非常に有名で定番の銘柄です。
2024年8月よりラベルのデザインが一新され、よりエレガントで美しいイメージとなり、クラシックとモダンを融合させたようなデザインになりました。
8月20日に行われたセミナーで、12年・15年・18年のテイスティングと、ペアリングをしてきました。
デザインはクラシック寄りのほうが好きだという人も多いですが、どのウイスキーもモダンな感じになってきましたね。ちなみに、味・製法は変えていないそうです。
グレンドロナック 12年の評価・レビュー
バーテンダーである筆者が「グレンドロナック 12年」を実際に飲んだときの評価・レビューをします。
どんな味わいか・どんな飲み方がおすすめなのか・どこがおすすめのウイスキーなのかを詳しくご紹介!
テイスティングレビュー
※数値が高い=良いウイスキーではありません
香り
しっかりシェリー樽由来の香りが楽しめる。
ベリー、ドライフルーツ、ゴム、スパイス、ショウガ。
味わい
芳醇でコクのある味わい。
ドライフルーツ、ナッツ、バニラ、スパイス、ビターチョコ、オレンジ、オーク香。
余韻
深い甘みとほのかなビターさ、スパイシーな余韻が程よく続く。
「グレンドロナック 12年」の味わいには、シェリー樽由来の落ち着いたフルーティーさと深い甘さ、スパイシーな風味が色濃く表れています。
渋みやゴム臭、硫黄臭と受け取られることもあるシェリー樽の風味ですが、本銘柄ではそこまでネガティブな部分は出ていません。
飲み方別の評価
いつも自分がしている飲み方に合うウイスキーなのか、ぜひ参考にしてみてください。
ストレート
甘みやコクの深さが1番よく感じられる。アルコール刺激はなく、リッチさがある。
おすすめ度
トワイスアップ
華やかになるものの、若干酸味も出てくるか。1:1ではなく少量加水がベスト。
おすすめ度
ロック
ややビターでシャープな印象になるが、加水が進むと甘みも出てくる。
おすすめ度
水割り
甘さは引き立つが、口当たりが重くてミスマッチ。
おすすめ度
ソーダ割り
フルーティーだが、酸味や渋みが立ってきてリッチさがなくなる。
おすすめ度
セミナーイベントで提供されていたカクテルが2種類あったので、一応そちらもご紹介します!気になる人はぜひ作ってみましょう!
- スパニッシュハイボール
-
- グレンドロナック 12年
- ペドロ・ヒメネス”サン・エミリオ”
- トニックウォーター
- スライスレモン
グレンドロナック(おそらく30mL)とペドロ・ヒメネス(おそらく10mL)をタンブラーに入れ、氷を入れてステアし、トニックウォーターを注いで最後に静かにステア。スライスレモンを入れたら完成。
- ロブ・ロイ
-
- グレンドロナック 12年
- コッキ ヴェルモット・ディ・トリノ
(在庫なしなので、味と価格的に「ノイリー・プラット スイート」がおすすめ) - アンゴスチュラ アロマティック・ビターズ
- マラスキノチェリー
グレンドロナック(おそらく45mL)とスイートベルモット(おそらく15mL)、アンゴスチュラ(おそらく1dash)を氷の入れておいたミキシンググラスに入れ、ステア。カクテルグラスに注いだら、カクテルピンに刺したマラスキノチェリーをグラスに入れて完成。
総合評価
「グレンドロナック 12年」は、飲み方の汎用性こそないものの、12年ながらもかなり質の高い味わいが楽しめます。
シェリー系ウイスキーの中では特におすすめで、まだ飲んだことのない人は一度は必ず飲んでおきたいところです。
価格帯は高めですが、シンプルに味だけで考えれば、そこまで高価には感じません。
1日の終りに飲めば、心地良い上品な風味でリラックスできること間違いなしです。
グレンドロナック 12年の評価まとめ
今回は、スコッチウイスキーのハイランドモルト「グレンドロナック 12年」についてご紹介しました。
- ドライフルーツのような落ち着きのある上品な甘さ、スパイシーな余韻が特徴
- シェリー系のウイスキーの中ではド定番
- 新ラベルになったが味わいは変わらず
Amazonではまだ旧ラベルが売られていますが、味には変わりありませんので、新ラベルが欲しい人はもう少し待って、旧ラベルがいい人は早めに買っておきましょう。
\筆者も自宅用で使うテイスティンググラス/
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