
バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
ウイスキーを買ったとき、絶対に1回は試してみたい飲み方「ストレート」。
今回の記事では、数ある飲み方の中からストレートに向いているおすすめのウイスキーをご紹介。
自分にピッタリの銘柄を見つけてみましょう。
そもそも「ストレート」とはどんな飲み方?


ウイスキーの飲み方の1つであるストレートは、海外では「ニート(Neat):こぎれい」と呼ばれます。
氷や加水などを一切せず、ウイスキーをグラスに注ぐだけのシンプルな飲み方です。
ウイスキーをストレートで飲むときの楽しみ方
熟成年数の長さや熟成に使う樽の違いにより、液体が琥珀色なのか黄金色なのか、それぞれの銘柄でまったく違う色合いが楽しめるでしょう。
テイスティンググラスで飲むときは、スワリングをすることで香りが立ちます。(同時にそのウイスキーの粘性・オイリーさも見られる。)
バニラっぽい・青リンゴっぽい・ナッツっぽい・スモーキーさがある・オーク香が強い・潮気を感じるなど、香りから感じられる要素はさまざまです。
一気に飲み込まず、少し舌の上で転がすことで、より味わいが繊細に感じられます。
香りと味わいに差があるウイスキーも多いため、二段階に分けて楽しめるでしょう。
ウイスキーをストレートで味わうメリット・デメリット
メリットは書いてある通りですが、デメリットにある「味が分かりづらい」というのは多くの人が経験することでしょう。
そんなときは数滴程度の加水をすると(ストレートではなくなりますが)アルコール感が弱まり、風味がハッキリと分かるようになります。
ウイスキーをストレートで飲むときは必ずチェイサーで水を用意し、アルコールで麻痺した舌をリセットするとよいでしょう。



ちなみに、デメリットの欄にある項目は、ある程度”慣れ”も関係してきます。
【スコッチ】ストレートがおすすめのウイスキー


スコットランドで造られるスコッチウイスキーは、独特なスモーキーな風味のあるウイスキーが多いですが、クセがまったくない銘柄も存在し、それぞれの銘柄ごとにハッキリと違った個性が感じられるのが特徴です。
今回ご紹介する4種類のウイスキーは、ブレンデッド・シェリー樽熟成シングルモルト・バーボン樽熟成シングルモルト・スモーキーなタイプと、スコッチの大まかな味わいをだいたい網羅しています。
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年


分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」は、他の飲み方よりもストレートが美味しいというわけではなく、ぜひ一度ストレートで飲んでもらいたいというウイスキーです。
味わいのバランスがとても良く、アルコール刺激もあまり感じませんし、なにより低価格でこんなに美味しいのかという素晴らしい質の高さを誇ります。
ハチミツやドライフルーツのような甘さ、程よいスモーキーさ、スパイシーでウッディな風味が楽しめるでしょう。



「ジョニ黒」の相性で知られており、本当に有名なブランドです!僕が家に常備しているウイスキーでもあります。
ザ・マッカラン シェリーオーク 12年


分類 | シングルモルト (スペイサイド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | シェリー樽 |
「ザ・マッカラン シェリーオーク 12年」は、シングルモルトのロールス・ロイスと呼ばれることもあるブランド「ザ・マッカラン」の中でスタンダードモデルとなるウイスキーです。
ダニエル・クレイグが主演の『007シリーズ』に(12年ではありませんが)度々登場し、ジェームズ・ボンドが愛飲するウイスキーとして知られています。
華やかで落ち着きのあるドライフルーツのような甘さ、あたたかみのあるスパイシーさが楽しめるでしょう。



希少価値が高くなっているため、12年熟成ながら約1万円してしまいます。しかしその価値を感じられる味わいで、プレゼントにも最適です。


クライヌリッシュ 14年


分類 | シングルモルト (ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 46% |
熟成樽 | バーボン樽 |
「クライヌリッシュ 14年」は、満足感のある飲みごたえ、甘さや爽やかさ、オイリーさ、フルーティーさ、スモーキーさ、潮気、複雑味など、ウイスキー好きが求めているすべての要素を兼ね備えたような、素晴らしく質の高いウイスキーです。
味わいのバランスが良く、しかもすべての要素が高水準で楽しめます。
ちなみに、ボトルに描かれた山猫は、蒸溜所創立者が連合王国貴族の公爵位であるサザーランド公爵(サザーランド家の副紋章が山猫)だったことに由来しているそうです。



僕が1番好きな銘柄です。まだ飲んだことのない人は、ぜひ一度飲んでみてください!
ボウモア 12年


分類 | シングルモルト (アイラ) |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | バーボン樽 スパニッシュオークシェリー樽 |
「ボウモア 12年」は「アイラの女王」と呼ばれており、他のアイラモルト(力強いスモーキーさが特徴)と比べて上品な風味、柔らかいスモーキーさが特徴のウイスキーです。
穏やかな口当たりで、キャラメルやドライフルーツのような甘さ、シトラス系の爽やかさ、華やかなスモーキーさが楽しめるでしょう。
比較的甘さもあり飲みやすいため、幅広い人におすすめできます。



アイラモルトを飲んだことのない人は、入門編として飲んでみてはいかがでしょうか。
【アイリッシュ】ストレートがおすすめのウイスキー


アイリッシュウイスキーのほとんどの銘柄が、ピートを炊かない(スモーキーさのない)ウイスキーです。
クセのないクリアな味わいが特徴で、ウイスキー初心者でも飲みやすい銘柄が多く揃っています。
ブッシュミルズ ブラックブッシュ


分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」は、オロロソシェリー樽とバーボン樽で最長7年熟成させた原酒を使用して造られるウイスキーです。
モルト原酒80%・グレーン原酒20%で、モルト比率が高めになっています。
かなり低価格で買えるにもかかわらず味わいがリッチで、ハチミツやドライフルーツのような甘さ、ウッディでスパイシーな余韻が楽しめるでしょう。



モルト比率が高いためブレンデッドながらも軽すぎず、シェリー樽由来の風味もしっかりと感じられます。
ティーリング シングルモルト


分類 | シングルモルト |
内容量 | 700ml |
度数 | 46% |
熟成樽 | シェリー樽 ポート樽 マディラ樽 ホワイト・バーガンディ樽 カベルネ・ソーヴィニヨン樽 |
「ティーリング シングルモルト」は、ワイン樽や酒精強化ワイン樽など5種類の樽を使って造られる珍しいウイスキーです。
とても優しい口当たりと味わいで、モルトの甘さ、爽やかなフルーティーさ、明るいニュアンスのスパイシーさが楽しめます。
シンプルな味わいながらも完成度は高く、初心者から飲み慣れた人まで幅広い人におすすめです。



正直そこまで樽由来の風味はありませんが、フルーティーさは強め。世界的にも高い評価を得てきているウイスキーです。
レッドブレスト 12年


分類 | シングルポットスチル |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | バーボン樽 オロロソシェリー樽 |
「レッドブレスト 12年」は、ポットスチルで3回蒸溜し、モルトと未発芽大麦のみで原料が構成された「アイリッシュポットスチルウイスキー」という分類の中でも、単一蒸留所の原酒のみボトリングされる「シングルポットスチルウイスキー」という分類のウイスキーです。
オイリーな口当たりで、モルト・バニラ・ドライフルーツのような甘さ、ジンジャーやスパイスの辛さ、ナッツのような芳ばしさ、アプリコットのようなフルーティーさが楽しめます。
度数40%にもかかわらず厚みのある味わいで、完成度が非常に高く、複雑さも感じられるはずです。



僕がアイリッシュで1番好きな銘柄です。シンプルな味わいですがウイスキーの良さが詰まっています。
【アメリカン】ストレートがおすすめのウイスキー


アメリカンウイスキーは、バニラのような強い甘みとしっかりめのオーク香が特徴です。
ちなみに今回ご紹介する銘柄は、バーボン・ライ・テネシーと、主要な分類はすべて押さえています。
ワイルドターキー 8年


分類 | バーボン |
内容量 | 700ml |
度数 | 50.5% |
「ワイルドターキー 8年」は、度数が50.5%とインパクトが強めのウイスキーです。
バニラのような甘さ、オレンジやハーブのような爽やかさ、しっかりめのオーク香、スパイシーさが楽しめます。
コスパも良く有名な銘柄でもあるため、アルコール感が気にならない人にはぜひ一度飲んでもらいたいウイスキーです。
イーグル・レア 10年


分類 | バーボン |
内容量 | 700ml |
度数 | 45% |
「イーグル・レア 10年」は、原料や製法などあらゆる面でこだわりを持ち、造り手の意図や思想がしっかりと反映された「クラフトバーボン」です。
10年熟成とバーボンの中では比較的長熟で、クセのないなめらかな口当たりと味わいが楽しめます。
ハチミツのような甘み、シトラスのような爽やかさ、ナッツのような芳ばしさ、革のような深みのある香りが感じられるでしょう。



上品な風味で、バーボン初心者から飲み慣れた人まで、幅広い人におすすめできます。
ミクターズ US★1 ライウイスキー


分類 | ライ |
内容量 | 700ml |
度数 | 42.4% |
「ミクターズ US★1 ライウイスキー」は、アメリカ最古の蒸溜所をルーツに持つブランドからリリースされる、シングルバレル(1つの樽のみからボトリング)で少量生産のウイスキーです。
キャラメルのような甘さ、シトラスやミントのような爽やかさ、しっかりとしたスパイシーさが感じられます。
バランスが取れつつも複雑な味わいで、飲んだときの満足度は高めです。



少々高価ではありますが、ライウイスキー全体の中でもかなり質の高いウイスキーです!


ジャックダニエル シングルバレル


分類 | テネシー |
内容量 | 750ml |
度数 | 47% |
「ジャックダニエル シングルバレル」は、皆様ご存知ジャックダニエルブランドの中でも、1つの樽原酒のみをボトリングする「シングルバレル」タイプのウイスキーです。
その樽の個性がダイレクトに出ていて、樽が違えば味わいも変化するという特徴があります。
力強く豊かな風味で、バニラやキャラメル、シリアルの甘さ、メロンのようなフルーティーさ、オイリーなナッツ、ハーブのような爽やかな香りが楽しめるでしょう。



ちなみに、正規品の容量700ml・アルコール度数45%のタイプもあります。個人的には並行品(750ml・47%)のほうが好みです。
【ジャパニーズ】ストレートがおすすめのウイスキー


ジャパニーズウイスキーはスコッチウイスキーの造り方を踏襲しているため、雰囲気としてはスコッチに近い味わいです。
より日本人の好みに合うような味わいに仕上がっており、その繊細で複雑な味わいは世界的にも高い評価を得ています。
サントリー オールド


分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
「サントリー オールド」は、山崎蒸溜所のシェリー樽原酒が使われていて、甘く芳醇な味わいが特徴のウイスキーです。
ハチミツやドライフルーツのような甘さ、オレンジのようなフルーティーさ、柔らかいオーク香、ほんのりスパイシーでビターな余韻が楽しめます。
ほんの少しアルコール感はありますが、コスパがかなり良く、価格以上の華やかな風味が感じられるでしょう。



もっと評価されても良いのかなと思うウイスキーの1つです!
宮城峡


分類 | シングルモルト |
内容量 | 700ml |
度数 | 45% |
「宮城峡」は、華やかでフルーティーな風味が特徴のウイスキーです。
使用樽は明かされていませんが、おそらくバーボン樽とシェリー樽のどちらも使われているのかなと思いました。
バニラのような甘さ、ドライフルーツやリンゴのようなフルーティーさ、フローラルさ、スパイシーさ、ほんの少しスモーキーさと硫黄っぽさが感じられます。



全体的に柔らかく優しい印象で、初心者にも飲みやすい1本です。
桜尾 シングルモルト


分類 | シングルモルト |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
「桜尾 シングルモルト」は、3年以上熟成した4種類の樽を使って造られるウイスキーです。
モルトやバニラの甘さ、リンゴ・ドライフルーツ・シトラスのフルーティーさ、豊かなオーク香と潮気、ほんのりと感じるスモーキーさが楽しめます。
全体的にまとまりのある味わいで、短期熟成ながらも荒さを感じさせません。



予想以上に出来の良いウイスキーでした!桜尾といえばジンが有名ですが、ウイスキーもぜひ飲んでみてもらいたいです。
【カナディアン】ストレートがおすすめのウイスキー


カナディアンウイスキーは他の生産国のウイスキーと比べ、もっともライトでクセのない味わいが特徴です。
日本に輸入されるカナディアンウイスキーはかなり少なく、今回ご紹介する銘柄も1つだけとなりました。
カナディアンクラブ クラシック 12年


分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
「カナディアンクラブ クラシック 12年」は、12年熟成なのにノンエイジの「カナディアンクラブ」と700円しか違わない、コスパに優れたウイスキーです。
バニラのような甘み、ほんのりバナナのようなフルーティーさ、柔らかなオーク香が楽しめます。
本当に優しい味わいと口当たりで、初心者でもスイスイ飲めてしまうでしょう。



甘いけれど後味はドライ目で、舌に残らないことも飲みやすさに繋がっています。


【ニューワールド】ストレートがおすすめのウイスキー


ニューワールドウイスキーは、これまでに紹介してきた世界5大ウイスキー(スコッチ・アイリッシュ・アメリカン・ジャパニーズ・カナディアン)以外の国で造られるウイスキーを指します。
近年世界的に高い評価を受ける銘柄も多く、いつもとは少し違った味わいが楽しみたい人におすすめです。
カバラン ディスティラリーセレクト No.1


原産国 | 台湾 |
分類 | シングルモルト |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | バーボン樽 シェリー樽 |
「カバラン ディスティラリーセレクト No.1」は、世界で高い評価を得ている台湾で造られるウイスキーです。
温暖な気候で熟成が早く進むため、短期熟成でもしっかりと樽から香気成分が染み出します。
トロピカルフルーツのような甘さ、しっかりとした樽香、程よい酸味、あたたかみのあるスパイシーさが楽しめるでしょう。



アルコール刺激が少なく甘みも強いため、飲みやすいウイスキーを探している人にはピッタリです。
ポール・ジョン ブリリアンス


原産国 | インド |
分類 | シングルモルト |
内容量 | 700ml |
度数 | 46% |
熟成樽 | バーボン樽 |
「ポール・ジョン ブリリアンス」は、ウイスキー消費量世界No.1のインドで造られるウイスキーです。
台湾のウイスキー同様、温暖な気候によって短期熟成でもしっかりと樽成分が染み出します。
バニラ・キャラメル・モルトの甘さ、青リンゴやシトラスのようなフルーティーさ、あたたかみのあるスパイシーさが楽しめるでしょう。



インドのウイスキーは廃糖蜜を原料として造られることが多かったのですが、ポール・ジョンはちゃんとシングルモルトで、質も高いです!
スターワード トゥーフォールド


原産国 | オーストラリア |
分類 | ブレンデッド (モルト・ウィート) |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
熟成樽 | オーストラリア産赤ワイン樽 |
「スターワード トゥーフォールド」は”オーストラリアならではのウイスキー”にこだわり、熟成樽はオーストラリア産の赤ワイン樽、ブレンドにはモルト原酒とウィート(小麦)原酒が使われています。
バニラのような甘さ、アプリコットやベリー系のフルーティーさ、酸味があり、ワイン樽由来の風味がしっかりと感じられるのが特徴です。
ウィート原酒の影響か口当たりはとても優しく、フルーティーなウイスキーが好きな人にはピッタリでしょう。



赤ワインが好きな人はぜひ飲んでみてください!意外と親しみやすさもあります。


ストレートで飲むときにおすすめのグラスとは?


ストレートでウイスキーを楽しもうと思ったら、以下の2種類のグラスを揃えましょう。
それぞれ特徴や用途、合うウイスキーがまったく違います。
いきなり高価なものを買う必要はないため、コスパがよく、かつ長く気に入って使える物を厳選しました。



僕も実際に使っているグラスです!
テイスティンググラス
テイスティンググラスは、リム(グラスの縁)がすぼまったチューリップのような形が特徴で、ウイスキーの香りをグラス内にホールドすることで、香りを楽しむことに特化したグラスです。
スワリング(グラスを回す)が可能で、香りを一層引き立てられます。
多くのブランドからリリースされていますが、イタリアのブランド「ルイジボルミオリ」のものがおすすめです。



薄さもあってコスパも高く、多くのバーでも実際に使われているグラス!僕も使っています。
ショットグラス
ショットグラスは、もともとお酒を入れたり量ったりするために設計されたグラスだといわれています。
テキーラを一気飲みするときにも使われますね。(絶対にウイスキーは一気飲みしてほしくありません)
香りを楽しめるテイスティンググラスとは逆に、香りをホールドする力はなく、鼻から感じるアルコール感が和らぐという特徴があります。
かなり低価格のものから高価なものまで幅広いですが、中でも「東洋佐々木ガラス」のものがおすすめです。



デザインに優れていますし、サイズ感もちょうどよく、高見えするグラス!どことなくバカラのマッセナっぽさも。
ストレートがおすすめのウイスキーに関するまとめ
ストレートはウイスキーの風味をダイレクトに感じられる飲み方です。
慣れないうちはキツイかもしれませんが、一度ハマれば基本はストレートでしか飲まなくなることでしょう。
ただし注意しておきたいのは、アルコールに弱いのに無理して飲まないということ。
許容量を守り、必ずチェイサーで水を用意して飲むことを心がけましょう。
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