レビュー|ラフロイグ 10年【正露丸のような薬品香と力強いスモーキーさ】
バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
今回の記事では、スコッチウイスキーのアイラモルト「ラフロイグ 10年(正規品)」についてレビュー・評価をしていきます。
ウイスキーを買うときになるべく失敗したくない!という人は、ぜひ最後までご覧ください。
※このレビュー・評価は2024/10/26時点のものです。
- 薬品香や力強いスモーキーさなど、アイラモルトでしか感じられない個性がハッキリしている
- ドッシリとしたコクの深さが感じられる
- 並行輸入品よりも味わい深い
- クセが強く、好き嫌いがハッキリと分かれる
- 10年熟成ながらも価格は高め
ラフロイグ 10年とは
生産国
スコットランド
分類
シングルモルト(アイラ)
内容量・度数
750mL / 43%
熟成樽
1stフィルバーボン樽
主な受賞歴
「ラフロイグ 10年」は、「アイラモルトの王」と呼ばれ、シングルモルトで初の英国のロイヤルワラント(王室御用達)をいただいたウイスキーです。
そのクセの強さから「好きになるか、嫌いになるかのどちらか。」というキャッチコピーが作られ、好きになる人はとことんハマるけれど、嫌いな人はまったく受け付けないという、パンチの効いた味わいがあります。
スモーキーフレーバーが特徴の「アイラモルト」の中でも、ラフロイグは特にクセの強い部類です。
他のアイラモルトと比べてどのくらいスモーキーなのか、以下にまとめました。
ウイスキー名 | フェノール値 |
アードベッグ 10年 | 約55ppm |
キルホーマン マキヤーベイ | 約50ppm |
ラフロイグ 10年 | 約45ppm |
ラガヴーリン 16年 | 約35ppm |
カリラ 12年 | 約30ppm |
ボウモア 12年 | 約25ppm |
フェノール値=フェノール類の含有量のことで、ピート香の強さを測るための指標です。
数値が高いほどピート香は強い傾向にあり、含有濃度は「ppm(parts per million)」という単位で表されます。
厳密に言えば「フェノール値が高い≒よりピーティー」ですが、多くの銘柄は数値どおりにピートの強さを感じるので、大雑把にフェノール値が高いウイスキーはピーティーと覚えておきましょう。
上記の表で見ると、ラフロイグは中間辺りに位置していますが、実はトップクラスでクセの強い銘柄です。
その理由は、テイスティングレビューの部分で詳しくご紹介します。
正規品と並行輸入品の違い
今回ご紹介の「ラフロイグ 10年」ですが、実は2種類のボトルがあるのをご存知でしょうか?
- 正規品:容量750mL / 度数43%
- 並行輸入品:容量700mL / 度数40%
正規品は、日本の正規代理店が海外のメーカーと直接契約して輸入されたもので、並行輸入品は、輸入メーカーが海外の蒸溜所から買い付けて輸入したものです。
それぞれの「ラフロイグ 10年」について、特徴をかんたんにまとめました。
正規品 | 並行輸入品 |
---|---|
メーカー希望小売価格に準ずるため、価格は高め ドッシリとコクがあって豊かな味わい | 価格は為替レートで変動するものの、正規店を通していないため比較的安価 若干粗さが感じられ、ある意味クセが強い |
どちらのボトルをおすすめするかと言われたら、個人的には間違いなく正規品がおすすめです。
容量が多く、度数も高くて飲み応えがあり、味わいもしっかりとしていることから、迷わず正規品を買ってもいいんじゃないかなと思います。
ラフロイグ 10年の評価・レビュー
バーテンダーである筆者が「ラフロイグ 10年」を実際に飲んだときの評価・レビューをします。
どんな味わいか・どんな飲み方がおすすめなのか・どこがおすすめのウイスキーなのかを詳しくご紹介!
テイスティングレビュー
※数値が高い=良いウイスキーではありません
香り
力強いヨード香のようなクセ。
スモーク、薬品香、潮気、革、バニラ。
味わい
オイリーでドッシリとしたコク。
モルト、バニラ、甘草、シトラス、オーク、スモーク、磯、正露丸。
余韻
スモーキーさとビターさ、スパイシーな余韻が長く続く。
「ラフロイグ 10年」の味わいの1番の特徴は、何と言ってもヨードチンキや正露丸のような薬品香です。
そのうえドッシリとしたスモーキーさ、海風を感じる潮気のある味わいなど、湿り気のある重めのニュアンスを感じます。
「アードベッグ」や「キルホーマン」のほうがフェノール値は高めで、スモーキーさも強いのですが、酒質や風味はライトめで、”クセ”だけで言えば「ラフロイグ」のほうが強い印象です。
飲み方別の評価
ストレート
強い個性をダイレクトに味わえるので、まずはストレートで飲みたい。比較的若めのウイスキーながらも、ゆっくりと楽しめる。
おすすめ度
トワイスアップ
加水してもボディがなくならず、風味が開いておいしいものの、加水は少なめがおすすめ。潮気と甘さがしっかりと感じられる。
おすすめ度
ロック
スモーキーさが引き立ち、口の中で液体が温まると甘みもしっかり感じられる。オーク香とスパイシーさも、他の飲み方と比べると出てくる。
おすすめ度
水割り
おいしいが、味わいのバランスを良く作るにはそこそこ技術が必要。意外と軽くなりすぎるので、ほんの少し濃い目に作るのがおすすめ。
おすすめ度
ソーダ割り
ソーダの発泡性に負けないスモーキーさ・潮気があり、個性が失われない。スッキリとした飲み口で、ほんのりバニラのような甘みも感じる。
おすすめ度
総合評価
「ラフロイグ 10年」は、しっかりとした個性とクセの強さはありつつも、嫌味がなく、格式の高さを感じます。
ただスモーキーなだけではなく、複雑な味わいが楽しめるのも高評価。
10年熟成の割りには若干価格が高いものの、750mlでこの味わいなら納得です。
とても有名で王道な銘柄なので、これからウイスキーを飲んでいくなら必ずおさえておきたい銘柄の1つですね。
ラフロイグ 10年の評価まとめ
今回は、スコッチウイスキーのアイラモルト「ラフロイグ 10年」についてご紹介しました。
- 力強いスモーキーさ、磯、正露丸のような香り
- 「アイラモルトの王」と呼ばれ、英国王室御用達のブランド
- 並行品(700ml・40%)よりも正規品(750ml・43%)がおすすめ
クセは本当に強いですが、ハマる人にはとことんハマるウイスキーです。
初心者にはおすすめしづらいものの、飲み応えを求める人や、強烈なスモーキーさ・ピーティーさを求めるひとは、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
\筆者も自宅用で使うテイスティンググラス/
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