バーテンダー厳選｜価格別のおすすめブレンデッドウイスキー

シングルモルトウイスキーが個性的なソリストだとすれば、ブレンデッドウイスキーは最高のハーモニーを奏でるオーケストラ。

複数の原酒を絶妙にブレンドすることで、飲みやすさと奥深さを両立したウイスキーです。

ブレンデッドウイスキーは膨大な種類がありすぎるので、いざ「おいしい銘柄を見つけよう！」と思っても、どれを選べばいいのか迷ってしまう人も多いことでしょう。

そこで今回はメジャー・マイナーにかかわらず、価格帯別に5本ずつおすすめの銘柄を厳選してご紹介します。

1,000円台のおすすめブレンデッドウイスキー

1,000円台のウイスキーはもっとも低価格帯のため、通常であればアルコール刺激が強かったり、単純においしくなかったりして、なかなか飲みたいと思える銘柄がありません。

しかし今回ご紹介する銘柄は、すべて飲みやすく、さらに低価格とは思えない“おいしさ”も兼ね備えているという優れたウイスキーです。

バランタイン ファイネスト

「バランタイン ファイネスト」は、とにかく味わいのバランスが優れているウイスキーです。

1000円台にもかかわらず口当たりは非常に滑らかで、クセのないまろやかな風味が楽しめます。

ほんのり甘めで、スタンダードな味わいながらも、完成度の高さが感じられるでしょう。

ホワイトマッカイ スペシャル（ホワイト＆マッカイ）

「ホワイトマッカイ スペシャル（ホワイト＆マッカイ）」は、ブレンド後にシェリー樽で後熟して造られるウイスキーです。

甘さがメインの豊かな味わいですが、飲み口はライトで飲みやすく、誰でも気軽に楽しめます。

低価格でシェリー樽の風味を感じたい人は、ぜひ試してみてください。

ホワイトホース ファインオールド

「ホワイトホース ファインオールド」は、日本国内のスコッチ販売量No.1に輝いた実績のあるウイスキーです。

アイラモルトの「ラガヴーリン」がキーモルトですが、ガツンと来ない深く穏やかな印象のスモーキーさで、比較的誰でも飲みやすく仕上がっています。

甘くフルーティーな味わいとはいえ、ややクセはあるので初心者は注意しましょう。

ブラックニッカ スペシャル

「ブラックニッカ スペシャル」は、ジャパニーズウイスキーでありながらスコッチのような味わいが楽しめるウイスキーです。

コクの深さと甘く伸びのある味わいが感じられ、個人的にはブラックニッカシリーズの中ではトップクラスのおいしさだと感じています。

ややスモーキーではあるものの、スコッチよりもクセはなく、あくまで日本人の口に合うような味わいです。

カナディアンクラブ

「カナディアンクラブ」は、非常にライトでクセのない、誰でも気軽に飲めるタイプのウイスキーです。

甘さが強くやや単調な味わいですが、誰でも気軽に飲める親しみやすさがあります。

カナディアンウイスキーは特に飲みやすいので、ウイスキーに慣れていない人には特におすすめです。

2,000円台のおすすめブレンデッドウイスキー

2,000円台になると、1,000円台と味わいに大きな差が生まれます。

個性や飲み応え、リッチさ、複雑さなど、飲んでいて楽しくなるような銘柄が増えていきます。

今回ご紹介する銘柄は、上記のようなポジティブな要素がふんだんに感じられる銘柄のみを厳選しました。

カティサーク プロヒビション

「カティサーク プロヒビション」は、度数が50％と高く、低価格ながらも飲みごたえ抜群のウイスキーです。

甘くスパイシーな風味は、低価格のウイスキーの味わいに物足りなさを感じる人にはピッタリでしょう。

味わいは度数も相まってやや刺激的ですが、度数が気にならなければぜひ飲んでもらいたい1本です。

ブッシュミルズ ブラックブッシュ

「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」は、モルト比率が80％ときわめて高いブレンデッドで、シェリー樽由来の風味が全面的に感じられるウイスキーです。

低価格ながらも、芳醇で華やかな味わいが楽しめます。

甘くフルーティーで飲みやすく、リッチさもあるため、初心者から飲み慣れた人まで、幅広い人におすすめです。

バスカー アイリッシュウイスキー

「バスカー アイリッシュウイスキー」は、熟成樽としては珍しいマルサラワイン樽を使用し、3種類の原酒（シングルモルト・シングルグレーン・シングルポットスチル）をブレンドして造られるウイスキーです。

トロピカルフルーツのような甘さが特徴で、飲み口も優しく、誰でも取っ付きやすい印象を受けます。

ただ飲みやすいだけではなく、コクのある味わいなので、飲んだときの満足感は高めです。

サントリーウイスキーオールド

「サントリーウイスキーオールド」は、低価格ながらも甘く芳醇な味わいが楽しめるウイスキーです。

コスパは非常に高く、原酒を使っているだけあって味の系統はシングルモルトの「山崎」に似ています。

ただ甘いだけではなく、ライトで爽やかな印象もあり、和食の食中酒としてもおすすめです。

ニッカ フロンティア

「ニッカ フロンティア」は、モルト比率が51％と高めで、度数の高さも相まってしっかりとした味わいが楽しめるウイスキーです。

余市蒸溜所の原酒が使われるだけあり、リンゴのようなフルーティーさとピート感が前面に出ています。

とはいえ「シングルモルト余市」ほどドッシリとした印象はなく、あくまでジャパニーズブレンデッドの範疇で、程よくスモーキーフレーバーが感じられる印象です。

3,000円台のおすすめブレンデッドウイスキー

3,000円台のウイスキーはおいしい銘柄がひしめき合っており、買うのがシビアになりがちな価格帯です。

味わいの複雑さや満足感、飲み心地は非常に高く、下手なシングルモルトや高価格帯のブレンデッドよりもおすすめしたい銘柄が多く存在します。

ジョニーウォーカー ダブルブラック

「ジョニーウォーカー ダブルブラック」は、ジョニーウォーカーブランドの中でもスモーキーさに焦点を当てて造られたウイスキーです。

当然「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」よりもスモーキーさが強く、ノンエイジながらも濃厚さとリッチさが加わった味わいです。

クセはあるもののバランスは良く、クリーミーな口当たりもあって意外にも飲みやすいでしょう。

ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年

「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」は、Masterpiece（傑作）やThe Everest of premium whisky（プレミアムウイスキーのエベレスト）と称されるほど、質の高いウイスキーです。

深い甘さと心地良いスモーキーさ、爽やかさ、複雑さ、飲みやすさなど、味わいのバランスがとてもよく整っています。

ウイスキー初心者から上級者まで、幅広い人に“強くおすすめしたい”1本です。

デュワーズ 12年

「デュワーズ 12年」は、誰でも飲みやすく、どんな人にも刺さりやすいような、バランスの良いウイスキーです。

まとまりが良い分、個性はそこまでありませんが、滑らかな口当たりで飲みやすいウイスキーを探している人には最適でしょう。

ちなみに、新ボトルになってバニラ感が強くなりました。

サントリーウイスキースペシャルリザーブ

「サントリーウイスキースペシャルリザーブ」には、実は「白州」のモルト原酒が使われています。

味の系統はやはり似ていて、お手軽に白州のような味わいが楽しめるのが魅力です。

クリーミーかつ爽やかな口当たりで、食中酒としても馴染みやすく、初心者でも飲みやすいでしょう。

サントリーウイスキーローヤル（スリムボトル）

「サントリーウイスキーローヤル」は、サントリーの創業者、かつ初代マスターブレンダーである鳥井信治郎の名作と呼ばれるウイスキーです。

クラシカルな味わいで、芳醇でリッチさがあり、ウッディかつ華やかな甘さが楽しめます。

ちなみにですが、通常の700ｍLボトルはデザインが良いのですが、容量を価格に換算すると、660ｍLのスリムボトルのほうがお得です。

5,000円～7,000円台のおすすめブレンデッドウイスキー

5,000円以上のブレンデッドウイスキーは、シングルモルトが買える価格帯でもあるため、他の価格帯以上においしさを求めたいレンジです。

ご紹介する銘柄は、味わいの満足感はもちろん、美しさとも言えるようなバランスの良さや複雑さ、ユニークさも兼ね備えています。

個人でリッチに飲むのはもちろん、贈答用にもおすすめです。

ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ

「ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ」は、滑らかな口当たりと華やかな味わいを求めて造られたウイスキーです。

定番モデルの「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」（ジョニ黒）と比べ、スモーキーさは控えめで甘く、全体的に柔らかい印象を持ちます。

クセはあまりなく、バランスも非常に良いため、飲みやすいウイスキーを求めている人には最適解です。

マクリーンズ ノーズ

「マクリーンズ ノーズ」は、モルト比率が70％と非常に高く、程よく高い度数に加え、シェリー樽を多めに使用しているため、非常に飲み応えがあり深みのある味わいです。

やや若さはあるものの、バランスは良く口当たりも滑らかで、質の高さが光ります。

味わい的にはかなりの高コスパで、ウイスキー初心者から上級者まで、ぜひ一度飲んでもらいたい1本です。

バランタイン 17年

「バランタイン 17年」は“ザ・スコッチ”として称えられ、世界中のウイスキー好きに愛されているウイスキーです。

奥行きのある多層的な味わいで、繊細かつ複雑な風味は、ウイスキー好きも価格帯に納得すること間違いなし。

少々高価になりましたが、バランスの良さと飲んだときの満足感は、全ブレンデッドの中でもおすすめ上位に食い込みます。

キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士

「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」は、自社蒸溜所で造るモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした、シングルブレンデッドウイスキーという世界的にも珍しいウイスキーです。

富士御殿場蒸溜所らしいグレーンウイスキーの主張がしっかりとあり、バーボンのような味わいを感じます。

とはいえジャパニーズウイスキーの良さもハッキリと感じられ、調和の取れた華やかで優しい風味でありながら、厚みもあり、ありそうでなかったジャンルです。

ザ・レイクス ザ・ワン ファインブレンデッドウイスキー

「ザ・レイクス ザ・ワン ファインブレンデッドウイスキー」は、自社のシングルモルトをベースに、スコットランドのスペイサイドとアイラ原産のモルト・グレーンウイスキーをブレンドして造られるウイスキーです。

全体的にバランスは良く、複雑で豊かな奥行きのある味わいも感じられます。

スコッチのブレンデッドよりも優しく、平均的なのに個性も感じられました。

まとめ

ブレンデッドウイスキーの魅力は、何と言ってもバランスの良さと飲みやすさ。

ただ、シングルモルトと比べて味わいが平坦に感じがちで、ウイスキーを少し飲み慣れた段階の人にとっては、少し退屈に感じることもあるでしょう。

しかし、しっかりと味わうと質の高さや奥深さ、複雑さが感じられますし、むしろブレンデッドにしかない魅力がわかってきます。

今回ご紹介した銘柄は、星の数ほどあるブレンデッドウイスキーの中から選抜された銘柄ばかりですので、気になる銘柄、飲んだことのない銘柄がある人は、これを機に一度試してみてはいかがでしょうか。