4段階の強さで紹介|おすすめのスモーキーなウイスキーをプロが厳選
バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
ウイスキーの「スモーキーさ」って、どんな味わいなのか気になったことはありませんか?
本記事では、バーテンダーである筆者が、スモーキーなウイスキーの魅力やその風味の特徴について分かりやすくまとめました。
どの銘柄を選べばいいのかわからない人や、自分にピッタリのウイスキーを見つけたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
前半ではスモーキーな風味が生まれる秘密について、後半にはスモーキーなウイスキーを度合い別に紹介しています。
そもそもスモーキーなウイスキーとはどんなウイスキー?
スモーキーなウイスキーは文字通り、焚き火や煙のような香りを特徴とするウイスキーのことです。
独特でクセのある風味は、ハマる人はとことんハマるし、苦手な人は一切受け付けられないほど、好き嫌いがハッキリと分かれます。
それでは、ウイスキーの風味に大きな影響を及ぼす「スモーキーさ」について、基礎知識を詳しく見ていきましょう。
ウイスキーにスモーキーな風味が生まれる理由について
ウイスキーにスモーキーな風味が生まれるのは、原料の大麦を発芽させ、大麦麦芽(モルト)にするときにピート(泥炭)を燃料にして燻すからです。
ピートを燻したときに出る煙がモルトに染み込むことで、熟成後もしっかりとスモーキーな風味が残ります。
ピートは主にスコッチウイスキーの製造に使われ、中でも特にアイラ島で造られる「アイラモルト」に顕著です。
昔は単に燃料として使っていましたが、現在は香り付けのために使われています。
「スモーキー」と「ピーティー」の違いについて
スモーキーなウイスキーを語るうえで、「ピーティー(ピートらしい香り)」という表現が使われることがあります。
「スモーキー」は、ピートを燻して出た煙そのもののフレーバーを指す言葉です。
一方「ピーティー」は、ピート内に含まれている土や草などの有機的なフレーバーを指します。
ピート香は草木のような香りだけでなく、薬品香や潮気など、クセの強いフレーバーを含むことも。これらは特に沿岸部で採れるピートに顕著です!海水や潮風の影響を受け、海藻も含んでいるからですね。
スモーキーさを計る指標「フェノール値」について
スモーキーなウイスキーの香りの強さを測る指標として、「フェノール値」が用いられます。
フェノール値は、麦芽にどの程度のフェノール化合物(フェノール類)が含まれているのかを示すもので、「ppm(パーツ・パー・ミリオン)」という単位で表されます。
フェノール値が高いウイスキーほど、スモーキーなフレーバーが強い傾向にあるのが特徴です。
ただし、フェノール値は蒸溜前に測定され、蒸溜後の工程でスモーキーさが落ちる銘柄も多いため、あくまで1つの指標として考えましょう。
アイラモルトは特にフェノール値の高いウイスキーが多いので、どのくらいフェノール値が高いのか、ほのかなスモーキーさを感じられる、サントリーの「シングルモルトウイスキー白州」(約5ppm)と比較してみましょう。
ウイスキー名 | フェノール値 |
---|---|
アードベッグ 10年 | 約55ppm |
キルホーマン マキヤーベイ | 約50ppm |
ラフロイグ 10年 | 約45ppm |
ラガヴーリン 16年 | 約35ppm |
カリラ 12年 | 約30ppm |
ボウモア 12年 | 約25ppm |
アードベッグと白州を比較すると11倍、比較的穏やかなスモーキーさのボウモアと比べても5倍と、アイラモルトがどれだけフェノール値が高く、スモーキーさの強いウイスキーなのかがわかりますね。
フェノール化合物がウイスキーに与える風味の種類について
前述のとおり、スモーキーなウイスキーにはフェノール化合物が含まれています。
フェノール化合物が実際にどのような風味をウイスキーに与えているのか、主なフェノール類と特徴的な香りを以下にまとめました。
- フェノール:薬品のような香り
- グアイアコール:焦げたような香り、土っぽい香り
- クレゾール:タール・アスファルト系の香り
ピートは採取場所によって含有成分が異なるため、含まれるフェノール類の割合も当然異なります。
同じピーティーなウイスキーでも、土っぽさが強かったり、薬品香が強かったりと、蒸溜所によって風味の特徴はさまざまです。
おすすめのスモーキー(ピーティー)なウイスキーを段階ごとに紹介
ピート香が感じられるウイスキーを、4段階に分けてご紹介します。
基本的に珍しいものではなく、定番の銘柄や人気の銘柄を主軸に厳選しました。
プラス、筆者がぜひ飲んでもらいたいと思うおいしいウイスキーもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
品薄の銘柄や限定リリースの銘柄は選考外となっております。
まずはここから|初心者が飲んでおきたい軽めのスモーキーウイスキー
スモーキーなウイスキーをまだ全然飲んだことのない初心者は、必ず本章でご紹介するウイスキーから試してみましょう。
もし仮にスモーキーな風味が嫌いだった場合、もうこれ以上のスモーキーさのあるウイスキーが飲めないことがわかりますし、低価格帯の銘柄ばかりなので、そこまで損をしません。
まずは飲みやすいハイボールから試してみましょう!行けそうだと思ったら、次いでロックを試してみるとよいですね。
ジョニーウォーカー レッドラベル
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
700mL / 40%
【キーモルト】
- カーデュ
- タリスカー
- カリラ
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
アルコール感はあり、若くフルーティーな印象。
バニラ、洋梨、柔らかいスモーク、スパイス。
【味わい】
こちらもアルコール感がありつつ、フレッシュな印象。
バニラ、スパイス、洋梨、リンゴ、スモーク。
【余韻】
やや短めの、スモーキーでスッキリとした余韻。
「ジョニーウォーカー レッドラベル」は、世界でもっとも販売数の多いスコッチウイスキーの1つで、ブレンデッドスコッチの代表銘柄と言っても過言ではありません。
低価格帯の粗さは若干あるものの、総じてバランスは良好で、コスパは非常に高いように感じます。
ほのかなスモーキーさの中に、フルーティーな風味がしっかりと感じられるため、誰でもスッキリと飲めるはず!
ホワイトホース ファインオールド
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
700mL / 40%
【キーモルト】
- ラガヴーリン
- オルトモア
- クライゲラキ
- グレンエルギン
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
アルコール感はある。
ハチミツ、フローラル、やわらかいスモーク、オレンジ、モルト、オーク香。
【味わい】
ライトな風味で低価格ながらも飲みやすい。
ハチミツ、モルト、バニラ、優しいスモーク、ハーブ、スパイス。
【余韻】
スパイシーかつスモーキーな余韻が程よく続く。
「ホワイトホース ファインオールド」は、日本国内のスコッチ販売量No.1に輝いた実績のあるウイスキーです。
アイラモルトの「ラガヴーリン」がキーモルトですが、そこまでスモーキーな風味は強くなく、誰でも飲みやすく仕上がっています。
ガツガツと来るスモーキーさではなく、深く穏やかな印象のスモーキーさです。200mLの小瓶も売っているので、そちらから試すのもアリ!
ティーチャーズ ハイランドクリーム
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
700mL / 40%
【キーモルト】
アードモア
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
ピーティーでモルティ。
バニラ、モルト、潮気、若草、スモーク。
【味わい】
低価格の割りにはしっかりとした味わいが楽しめる。
バニラ、モルト、オレンジ、リンゴ、若草、スモーク、スパイス。
【余韻】
柔らかいスモークとスパイシーさが程よく続く。
「ティーチャーズ ハイランドクリーム」には内陸部のピートが使用されているため、薬品香のような重めのピート感ではなく、土や草を燻したようなカラッとしたスモーキーさが特徴です。
しっかりとスモーキーさはあるものの、爽やかな印象があり、スッキリとしたウイスキーを探している人にはピッタリでしょう。
スッと鼻から抜けるライトなスモーキーさは、比較的初心者でもネガティブな印象を受けづらいかも!
グランツ トリプルウッド スモーキー
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
700mL / 40%
【キーモルト】
- グレンフィディック
- バルヴェニー
- キニンヴィ
- アルサベイ
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
複雑で華やかな香り。
スモーク、バニラ、スパイス、オレンジ、オーク、ハチミツ、ドライフルーツ。
【味わい】
クリーミーでなめらかな口当たり。
カラメル、バニラ、スモーク、ラズベリー、ドライフルーツ、スパイス、ほんのりハーブ。
【余韻】
シトラスの爽やかさ、スパイス、オーク、スモーク。
「グランツ トリプルウッド スモーキー」は、その名のとおり3種類の樽を使って造られるウイスキーです。
熟成樽由来の複雑な風味が感じられつつも、バランスは良く、スモーキーなウイスキーの入門編としてはピッタリでしょう。
そこまで有名な銘柄ではないものの、口当たりも滑らかで飲みやすく、個人的なおすすめ度はけっこう高めです!
ブラックニッカ スペシャル
基本情報
【生産国】
日本
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
720mL / 42%
テイスト
【香り】
香りはそこまで印象的ではなく、スタンダード。
バニラ、モルト、リンゴ、甘草。
【味わい】
少しアルコール刺激はあるが、しっかりとした味わいと飲みやすさ。
バニラ、モルト、リンゴ、ビターチョコ、オーク香、程よいスモーク。
【余韻】
ほんのり甘さに加え、ビターさとスモーキーさが残る。
「ブラックニッカ スペシャル」は、ジャパニーズでありながらスコッチのような味わいが楽しめるウイスキーです。
コクの深さと甘く伸びのある味わいが感じられ、ブラックニッカシリーズの中ではトップクラスのおいしさを誇ります。
今回ご紹介するウイスキーの中では、1番スモーキーさの穏やかな銘柄かな?ちなみにこの銘柄は、僕は家で何度かリピートしています。
程よいスモーキーさが楽しめるウイスキー
前章でご紹介したウイスキーはすでに飲んだことがあり、もう少しスモーキーなウイスキーを探したいという人は、本章でご紹介するウイスキーを試してみましょう。
とはいえ、先ほどご紹介したウイスキーの倍以上は確実にスモーキーなので、好き嫌いが別れ始めるレンジかも知れません。
ブラックボトル 10年
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
700mL / 40%
【キーモルト】
ブナハーブン モアンヌ
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
スモーキーさの中にフルーティーさと芳ばしさを感じる。
バニラ、潮気、青リンゴ、洋梨、スモーク、オーク香。
【味わい】
口当たりは滑らかでオイリー。
モルト、ハチミツ、黒糖、スモーク、若草、潮気、シトラス。
【余韻】
スモーク、オーク香、スパイシーさが程よく続く。
「ブラックボトル 10年」は、12年以下のブレンデッドの中では非常に高品質で、世界的な賞をいくつも受賞しているウイスキーです。
優れたバランスと程よくリッチな風味で、ただスモーキーなだけではなく、豊かな味わいが楽しめます。
10年熟成のブレンデッドとして見れば高価ですが、味わい的にはけっこう満足度高めです!
アードモア レガシー
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(ハイランド)
【内容量・度数】
700mL / 40%
【熟成樽】
- 1stフィルバーボン樽
- クォーターカスク
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
若々しい爽やかな香り。
ハチミツ、バニラ、スモーク、土、スパイス。
【味わい】
口当たりは滑らかで、ドライな甘さ。
バニラ、レモン、モルト、若草、スモーク、スパイス。
【余韻】
ドライで、モルティでフレッシュなスモーキーさが程よく続く。
「アードモア レガシー」は、ピーテッドモルト80%とノンピーテッドモルト20%を合わせて造られる、フェノール値約14ppmのウイスキーです。
内陸部のピートを使っているため、若い草木を焼いたような爽やかなスモーキーさが感じられます。
スッキリとした飲み心地で、サッパリしたウイスキーが好きな人におすすめ!先ほどご紹介した「ティーチャーズ ハイランドクリーム」のキーモルトでもあります。
ク・ボカン シグネチャー
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(ハイランド)
【内容量・度数】
700mL / 46%
【熟成樽】
- バーボン樽
- オロロソ樽
- ヴァージンオーク樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
ややドライめで、フルーティーな香り。
バニラ、洋梨、草、柔らかいピート。
【味わい】
口当たりはクリーミーで、フレッシュな味わい。
バニラ、ハチミツ、ハーブ、シトラス、洋梨、柔らかいピート、スパイス、わずかにビター。
【余韻】
フルーティーさとスモーキーさが程よく続く。
「ク・ボカン シグネチャー」は、ミディアムピート(15ppm)のモルトを使用し、8年以上熟成した原酒を使って造られるウイスキーです。
先ほどご紹介した「アードモア レガシー」と同様にフレッシュなスモーキーさがあり、よりフルーティーな印象があります。
こちらは少々価格が張りますが、とにかく強烈なスモーキーさが欲しい人でなければ、飲んだときの満足感は高めですし、シンプルにおいしいですね。
ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイランズ)
【内容量・度数】
700mL / 40%
【熟成樽】
- 1stフィルのヨーロピアンオークシェリー樽
- 1stフィルのアメリカンオークシェリー樽
- リフィルのシェリー樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
力強さの中に華やかな香り。
ハチミツ、潮気、シトラス、フローラル。
【味わい】
度数40%なのにしっかりした味わい。
ハチミツ、潮気、シトラス、フローラルなピート香、スパイス、オーク香。
【余韻】
甘くスパイシーで、豊かなオーク香が程よく続く。
「ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー」は、公式がヘザーハニー(ヘザーの花から作られるハチミツ)という表現を使うだけあり、ハチミツの甘さとヘザーのようなフローラルな風味が楽しめるウイスキーです。
ボディがしっかりしていて飲みごたえがあり、スモーキーさも程よく、すべてのバランスが高水準でまとまっています。
スモーキーというより、ピーティーと言ったほうが良いでしょう。スモーキーさにとらわれず、ピート感を感じたい人はぜひ飲んでみてください。
タリスカー 10年
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイランズ)
【内容量・度数】
700mL / 45.8%
【熟成樽】
バーボン樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
フレッシュでしっかりとした香り立ち。
バニラ、ハチミツ、薬品香、しっかりめのスモーク、潮気、苔。
【味わい】
刺激的で厚みのある味わいだが、口当たりは滑らか。
バニラ、モルト、ライム、潮気、黒コショウ、スモーク。
【余韻】
モルトの風味とスモーキーさ、スパイシーさが長く続く。
「タリスカー 10年」は、特有のスパイシーさと潮気を感じるソルティさ、力強いピート香が特徴で、フェノール値約20ppmのウイスキーです。
度数が少し高めなのと、もともとのボディが厚いため、フェノール値以上にクセは感じやすいでしょう。
パンチのある味わいを求める人におすすめ!スモーキー&スパイシーな味わいから、ソーダ割りがよく好まれています。
力強いスモーキーさが感じられるウイスキー
ここからは、ハッキリと一発で「あ!スモーキーだ!」と感じられるような、力強いスモーキーさが感じられるウイスキーをご紹介します。
ここからは好き嫌いがより分かれてきそうな感じもあるので、ウイスキー初心者は注意しましょう。
ザ・ディーコン
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッド
【内容量・度数】
700mL / 40%
【キーモルト】
不明だが、アイラモルトとスペイサイドモルトをブレンド。
テイスト
【香り】
爽やかで若さを感じる香り。
バニラ、草、スモーク、潮気。
【味わい】
ボディは薄く、ライトな口当たり。
バニラ、草、スモーク、シトラス、スパイス、潮気、モルト。
【余韻】
やや短めで、スモーキーさとほのかなビターさ、スパイシーさを感じる。
ペストマスクが目を引く「ザ・ディーコン」は、2024年4月に発売したばかりのウイスキーで、アイラモルトとスペイサイドモルトをブレンドしたウイスキーです。
スモーキーさは強いのですが、ボディがやや薄いため飲みづらさはなく、サッパリしつつも甘さもしっかり感じられます。
アイラモルト特有の薬品香はそこまでせず、どちらかというと草っぽい爽やかなスモーキーさです!
フィンラガン オリジナル ピーティー
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 40%
【熟成樽】
不明だがおそらくバーボン樽
テイスト
【香り】
若々しいピーティーな香り。
バニラ、ドライなスモーク、ハーブ、潮気、若草。
【味わい】
やや単調な味わいだが、味わいは力強い。
モルト、バニラ、レモン、スパイス、ハーブ、力強いスモーク、オーク香。
【余韻】
スモーキーさとスパイシーさが長く続く。
「フィンラガン オリジナル ピーティー」は、蒸溜所名が伏せられたアイラモルトです。
中身はカリラだと言われていますが、後ほどご紹介する「カリラ 12年」よりもフレッシュで、若々しいスッキリとした味わいが楽しめます。
アイラモルトの中でもコスパに優れたウイスキー!比較的お手軽な価格で、ガッツリとスモーキーな風味が楽しめます。
スカラバス
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 46%
【熟成樽】
- リフィルのバーボン樽
- ヴァージンオーク樽
テイスト
【香り】
力強く、海のニュアンスをよく感じる。
バニラ、スモーク、潮気、オーク香、スパイス。
【味わい】
オイリーで力強い飲みごたえ。
バニラ、ハチミツ、しっかりめのスモーク、シトラス、スパイス、潮気、リンゴ。
【余韻】
潮気とスモーキーさが長く続く。
「スカラバス」は蒸溜所名が伏せられたアイラモルトで、おそらくカリラではないかと噂されています。
若々しい味わいですが、複雑で飲みごたえがあり、全体的なバランスも良好です。
フレッシュな味わいと飲みごたえを求める人にピッタリ!熟成感を求めなければ、コスパは良好です。
ボウモア 12年
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 40%
【熟成樽】
- バーボン樽
- スパニッシュオークシェリー樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
穏やかで落ち着いた印象。
バニラ、スモーク、オレンジ、潮気、モルト。
【味わい】
フルーティーで上品な甘さ。
ダークチョコ、ハチミツ、オレンジ、スモーク、土、潮気、ハーブ、スパイス。
【余韻】
少しのビターさと柔らかいスモークが長く残る。
「ボウモア 12年」は「アイラの女王」と呼ばれるアイラモルトで、フェノール値は約25ppm、上品かつコクのある味わいが楽しめます。
スモーキーさはしっかり感じたいけど、甘さやリッチな風味も捨てがたいという人にピッタリです。
アイラモルト初心者は、ぜひ一度飲んでみてください!スモーキーなウイスキー初心者がこの銘柄から飲み始めてハマった、なんて話もよく聞きます。たしかに、初級をすっ飛ばしてもおいしく感じられる質の高さは感じますね。
カリラ 12年
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 43%
【熟成樽】
バーボン樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
強いスモークもあるが、華やかさも感じる。
スモーク、レモン、モルト、ハーブ。
【味わい】
オイリーな口当たりで、複雑な味わい。
バニラ、モルト、スモーク、洋梨、ハーブ、シトラス、潮気。
【余韻】
ドライめで、爽やかなピートとスパイシーな余韻が長く続く。
「カリラ 12年」は、アイラモルトの中でもクセの強さは中間位で、フェノール値約35ppmのウイスキーです。
味わいのバランスは非常に優れ、スモーキーさ・甘さ・ドライさ・フルーティーさ・爽やかさなど、さまざまな要素が複雑に絡み合います。
アイラモルトの中でも僕が大好きなウイスキー!クセは強めですが、ぜひ一度飲んでもらいたいです。
強烈なスモーキーさが感じられるウイスキー
ここまでくると、スモーキーなウイスキーにドハマリしている人だと認定します。
ご紹介する銘柄は当然ながらアイラモルトばかりで、その中でも屈指のピート感・スモーキーさを誇る銘柄です。
ビッグ ピート
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
ブレンデッドモルト
【内容量・度数】
700mL / 46%
【使用原酒】
- アードベッグ
- カリラ
- ボウモア
- ポートエレン
テイスト
【香り】
甘く力強い。
力強いピート、スモーク、シトラス、リンゴ、モルト、薬品香。
【味わい】
風味は強烈だが、口当たりは滑らか。
モルト、バニラ、強烈なスモーク、草、ナッツ、スパイス。
【余韻】
爽やかな潮気とスモーキーさが長く続く。
「ビッグ ピート」は、複数のアイラモルトをブレンド(ヴァッティング)して造られる、アイラのブレンデッドモルトウイスキーです。
名前のとおり強烈なピート感があり、スモーキーさも強いのですが、甘さもしっかりと感じられます。
力強いのに柔らかさも感じ、バランスが良いのに複雑で、飲んだときの満足感はけっこう高めです!
キルホーマン マキヤーベイ
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 46%
【熟成樽】
- バーボン樽
- シェリー樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
爽やかで若々しい香り。
バニラ、強烈なスモーク、潮気、シトラス、草。
【味わい】
フレッシュで明るい印象の味わい。
バニラ、モルト、強烈なスモーク、潮気、草、土、洋梨、桃、スパイス。
【余韻】
スパイシーでフレッシュなスモーキーさが長く続く。
「キルホーマン マキヤーベイ」は、アイラモルトの中でもトップクラスのフェノール値(約50ppm)を誇るウイスキーです。
味わいは強烈ですが、サラッとした飲み心地と爽やかな風味で、意外にも飲みやすさを感じます。
スモーキーさの中にも、フルーティーでライトな飲み心地を求める人におすすめ!ピート感もしっかり感じられます。
ラフロイグ 10年
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
750mL / 43%
【熟成樽】
バーボン樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
力強いヨード香のようなクセ。
スモーク、薬品香、潮気、革、バニラ。
【味わい】
オイリーでドッシリとしたコク。
モルト、バニラ、甘草、シトラス、オーク、スモーク、磯、正露丸。
【余韻】
スモーキーさとビターさ、スパイシーな余韻が長く続く。
「ラフロイグ 10年」は、アイラモルトの中でも上位に位置するフェノール値(約45ppm)を誇り、ドッシリと重めのピート香が特徴のウイスキーです。
スモーキーさの他にも、薬品香と湿り気のある風味が強烈で、クセの強さだけで言えば最強クラスでしょう。
実は僕、このピート感はあんまり得意ではないんですよね。スモーキーなウイスキーは好きですし、ラフロイグもおいしく飲めるんですが、どうもこの胸焼けする感じが…。
ポートシャーロット 10年
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 50%
【熟成樽】
- 1st・2ndフィルのバーボン樽
- 2ndフィルのワイン樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
ドライで力強いピート感。
バニラ、スパイス、強烈なスモーク、潮気、シトラス。
【味わい】
力強い味わいとクリーミーな口当たり。
モルト、バニラ、シトラス、強烈なスモーク、スパイス、リンゴ、草、フローラル、ナッツ。
【余韻】
スモーキーで、モルトの甘さとフレッシュなフルーティーさが長く続く。
「ポートシャーロット 10年」は、アイラ島産モルト100%で造られる、フェノール値約40ppmのウイスキーです。
度数が50%と高めで飲みごたえはしっかりとしており、パワフルな中にも繊細で洗練された印象を受けます。
スモーキーさ意外にも、甘さと潮気、フルーティーさ、フローラルさなど、複雑な風味が楽しめるため、飲んだときの満足感は非常に高め!
アードベッグ 10年(TEN)
基本情報
【生産国】
スコットランド
【分類】
シングルモルト(アイラ)
【内容量・度数】
700mL / 46%
【熟成樽】
1st・2ndフィルのバーボン樽
【主な受賞歴】
テイスト
【香り】
非常に強烈。
バニラ、シトラス、スパイス、スモーク、潮気。
【味わい】
パンチのある味わいだが口当たりは意外と優しく、バランスも良好。
バニラ、モルト、レモン、スモーク、海水、白コショウ。
【余韻】
スパイシーさとスモーキーフレーバーがしっかりと長く続く。
「アードベッグ 10年」は、アイラモルトの中でもフェノール値約55ppmと、最強のスモーキーさを誇るウイスキーです。
強烈なピート香ですが、爽やかでライトな印象もあるため、クセは強いのに飲みやすさも感じられます。
モルトの甘さがしっかりと感じられますし、酒質は軽めなので、とにかくスモーキーさが欲しい人以外にも、爽やかでスッキリとした飲み心地を求める人にもおすすめです。
スモーキーなウイスキーの楽しみ方
せっかくスモーキーなウイスキーを飲むなら、よりその個性を感じられるように、今からご紹介するポイントを意識してみましょう。
飲み方によってもスモーキーさの感じ方は大きく変わる
スモーキーなウイスキーは、飲み方によってさまざまな表情を見せてくれます。
- ストレート:ピートやスモーキーさをダイレクトに感じられる
- 加水:甘さやフルーティーさが広がり、スモークは柔らかくなる
- ロック:スパイシーさや樽香、スモーキーさが強まり、他の要素は落ち着き目に
- ソーダ割り:爽やかさが強まり、鼻から抜けるスモーキーさもスッキリとした印象に
もちろん銘柄によっても違いますが、おおむね上記のように風味の感じ方に変化が表れます。
クセが強くて飲みづらいなと思っても、ソーダ割りにしたら好きになれたり、ソーダ割りだと軽すぎて物足りなさを感じていても、ロックで飲んだらパワフルな味わいに満足できたりと、新たな発見もあるはずです。
飲み方は人それぞれですが、銘柄の個性を感じるためにも、一度はストレートで飲んでもらいたいところ!
ウイスキーの風味によって合うおつまみは変わる
スモーキーなウイスキーの中でも、風味の違いによって合うおつまみは変わります。
- ライトで爽やかなスモーキーさ:ナッツ、生ハム、チーズなど
- クセが強めのスモーキーさ:燻製系のおつまみ、塩辛、牡蠣など
- 甘めのスモーキーさ:ドライフルーツ、チョコレートなど
おつまみの持つ旨さとウイスキーのスモーキーさのコントラストをハッキリさせるのか、近いニュアンスで一体感を求めるのかなど、楽しみ方は千差万別。
よりウイスキーをおいしく楽しむためにも、おつまみの質にもこだわってみましょう。
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スモーキーなウイスキーに関するよくあるQ&A
スモーキーなウイスキーについてのまとめ
スモーキーなウイスキーは、好き嫌いがハッキリと分かれます。
今回ご紹介した4つの段階(ロードマップ)を順に追って飲んでいくことで、少しづつ慣れていけるでしょう。
ただし、スモーキーな風味は合わない人には本当に合わないため、もし飲めなくても落ち込むことはありません。
ウイスキーは嗜好品ですし、飲めたから偉い、飲めなかったら上級者にはなれない、ということはないので、徐々に自分の好みを見つけていきましょう。
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