近年ハイボール人気に火がついている中、ウイスキーの水割りを飲む人はかなり少数でしょう。
しかも驚くことに「水割りはおじさんが飲むイメージ」と思う人もいるくらいです。
でもバーテンダーの僕からすると、水割りほど奥の深い飲みかたはありません。
そこで、今回の記事では「水割りにおすすめのウイスキー」についてご紹介していきます。

かなり厳選したのですが、結局15銘柄と多くなってしまいました。「多すぎて結局何を選べばいいのかわからないよ!」という人は、この記事の最後に「おすすめのウイスキーTOP3」をご紹介していますので、そちらにジャンプしてください!
ウイスキーを水割りにする3つの良さ


ウイスキーの水割りには、他の飲みかたと違った良さがあります。
- ウイスキーが柔らかい味わいになる
- 疲れた体にスッと染み込む優しさがある
- 食事と合わせやすくなる
水割りならではの良さについて、1つずつ詳しく解説していきます。
ウイスキーが柔らかい味わいになる
ウイスキーはアルコール度数が約40%と、すべてのお酒の中でもかなり高めです。
しかも中には、トゲトゲしいアルコール刺激がある銘柄もあります。
水割りにするとそのトゲトゲしさが和らぎ、ウイスキーが本来持っている味わいを残しつつも、柔らかな口当たりが楽しめるでしょう。



ただ、加水しすぎるとペラペラでただ味の薄いお酒になってしまいます。そのため、【ウイスキー:水=1:2.5~3】くらいの比率で飲むのがおすすめです。
疲れた体にスッと染み込む優しさがある
水割りは水割りにあった銘柄を選んで、かつ美味しく作ると、ホッと一息つけて、疲れた身体に染み込むような優しい味わいになります。
加水すると香りが開いて甘く華やかな風味になり、そんなにウイスキーを飲み慣れていない人でも風味がしっかりと感じられるでしょう。



僕は水割りが大好きなので、大体1杯目に飲むときは水割りを飲んで一息つきます。
食事と合わせやすくなる
水割りはハイボールに負けず劣らず、食事にもよく合います。
脂っこいものを食べるときにはハイボールのほうがサッパリとして良いかもしれませんが、水割りは繊細な味わいの料理に合わせるときにおすすめです。
飲み口に刺激がないため、料理の味わいや食感を邪魔しません。



和食なんかにもけっこうマッチしますよ。
水割りを美味しく作るための3つのポイント


この記事の冒頭でも触れましたが、水割りはとても奥深い飲みかたです。
一歩間違えれば不味くもなり、美味しく作れば本当に最高の飲みかたにもなり得ます。



これはどの飲みかたにも言えますけどね。笑
そこで、ここでは水割りを美味しく作るためのポイントを解説していきます。
分量に気をつける
水割りの理想的な分量は、どのサイトでもよく書かれていますが【ウイスキー:水=1:2.5~3】くらいです。
もちろん飲む人の好みや作る銘柄によっても左右されますが、おおよそこのくらいの分量で作れば間違いありません。
ただ、肌感覚で言うと、ハイボールもだいたい1:3の割合で作るのが理想とされていますが、ハイボールのときよりも若干加水の分量を少なめにするくらい(1:2.5 くらい)がとても美味しいです。



このへんは自由にカスタマイズしながら、自分が1番美味しく飲める分量を見つけてみてください!
温度に気をつける
個人的には、水割りは冷えすぎてもぬるくても美味しくありません。
冷え過ぎるとウイスキーの香りが締まりすぎてしまい、水割りの柔らかい口当たりもなくなってしまいます。
逆にぬるいと鼻から抜ける風味がモッタリとしてしまい、重くなる感じも。
最適なのは、
この一連で作ったくらいの冷え感が良いでしょう。
水と氷に気をつける
美味しい水割りを作ろうと思ったら、水と氷にもこだわりたいところです。
水は水道水ではなく、ほどよい硬度のミネラルウォーターを使い、氷は冷凍庫の製氷皿の氷ではなく、溶けづらいかち割り氷を使うと良いでしょう。



ガチンコで作ろうと思ったら、店舗によってですがセブンイレブンやスーパーに板氷が置いてあるので、そちらを自分で割ると良いです。とはいえかなり大変なので、普通の家飲みならコンビニのかち割り氷で問題ありません。
水割りにおすすめのウイスキー15選


水割りにおすすめのウイスキーは本当にたくさんありますが、今回は僕が美味しいと感じた銘柄を厳選してご紹介します。
15銘柄と多くなってしまいましたが、どれも本当に美味しいものばかりです。
「多すぎて結局何を選べばいいのかわからないよ!」という人は、この記事の最後に「おすすめのウイスキーTOP3」をご紹介していますので、そちらにジャンプしてください。



厳選した結果、スコッチとジャパニーズのみになってしまいました!
![]() ![]() スーパーニッカ | ![]() ![]() サントリー オールド | ![]() ![]() 山崎 | |
---|---|---|---|
分類 | ブレンデッド | ブレンデッド | シングルモルト |
内容量 | 700ml | 700ml | 700ml |
度数 | 43% | 43% | 43% |
味わい | 甘くフルーティーでバランス◎ マイルドでコスパも良い。 | 深い甘さの上品な水割りに。 かなりコスパに優れる。 | 飲みやすさはありつつも、深く複雑な味わいが楽しめる。 樽の香りもしっかり感じる。 |
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年


原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
おすすめ度 |
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年はスモーキーな味わいが特徴的で、バランスが良くコスパに優れたウイスキーです。
水割りにすると、嫌味のないスモーキーさとドライフルーツのようなフルーティーさを感じます。
深く複雑な味わいになるため、何度飲んでも飲み飽きずに楽しめるでしょう。



あまり水割りで飲まれる銘柄ではありませんが、バランスよく作ると実はとっても美味しいです!


バランタイン 12年


原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
おすすめ度 |
バランタイン 12年は、クリーミーでなめらかな口当たりとバランスの良い味わいが特徴のウイスキーです。
突出した個性はありませんが、ハチミツのような甘さやリンゴのようなフルーティーさがあり、オーク香、ビターさなど、すべてが平均して備わっています。
価格も良心的で、コスパに優れているのも嬉しいポイントです。



初心者にはまず味わってもらいたいウイスキー!


バランタイン 17年


原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
おすすめ度 |
バランタイン 17年は飲みやすさもあり、複雑味もあり、多彩な味わいを楽しめるバランスに優れたウイスキーです。
クリーミーな口当たりで、バニラのような甘さ、柑橘系の爽やかさ、ほんのりスモークも香り、コクのあるリッチな味わいが楽しめます。
17年熟成のウイスキーとは思えない素晴らしいコスパなので、ぜひ一度試していただきたいです。



17年熟成のウイスキーが今普通の価格で買えるのは、本当に貴重…


シーバスリーガル ミズナラ 12年


原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
おすすめ度 |
シーバスリーガル 12年 ミズナラは熟成の最後にミズナラ樽でフィニッシュ(後熟)してあるのが特徴で、日本のウイスキーファンに向けて造られたスコッチウイスキーです。
甘く繊細で、ハチミツのような甘さ、フレッシュなフルーティーさ、独特のハーブ感があります。
クセがなくてスッキリしつつも甘くて優しい味わいは、水割り初心者にもおすすめです。



ミズナラ樽由来の味わいはあまり感じられませんが、味だけで言うと普通に美味しい!


シーバスリーガル 18年 ミズナラカスクフィニッシュ


原産国 | スコットランド |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
おすすめ度 |
シーバスリーガル 18年 ミズナラカスクフィニッシュは、先程ご紹介したシーバスリーガル 12年 ミズナラの上位モデルです。
こちらも熟成の最後にミズナラ樽でフィニッシュ(後熟)していますが、こちらはしっかりとミズナラ樽由来の味わいが楽しめます。
オリエンタルな香りにハチミツの甘さ、ショウガのようなスパイシーさも感じ、優しいながらもリッチで奥行きのある風味です。



価格はそれなりにしますが、それを超える味わいがあるため、コスパとしてはけっこう良し!


グレンゴイン 10年


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | バーボン樽 シェリー樽 |
おすすめ度 |
グレンゴイン 10年は、クセのあるウイスキーが多いスコッチの中でも、まったくクセを感じないウイスキーです。
味わいの厚みはそんなにありませんが、麦やハチミツの甘さ、レモンやハーブのような爽やかさが楽しめます。
とても優しい味わいで、初心者でも飲みやすいシングルモルトです。



水割りにするときに少しだけ水の分量を少なくして作ると、とってもバランスの取れた美味しい水割りになります。


ロイヤルロッホナガー 12年


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | リフィルのシェリー樽 ホグスヘッドのバーボン樽 |
おすすめ度 |
ロイヤルロッホナガー 12年は、蒸溜所にビクトリア女王を招待したときに、英国王室御用達である「ロイヤル」の称号を授かった、由緒のあるウイスキーです。
ハチミツのように甘く優しい口当たりで、フローラルな風味も感じるような華やかな印象を受けます。



ロイヤルの名に恥じない美味しさがあります。


グレンモーレンジィ ネクター・ドール


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 46% |
熟成樽 | バーボン樽 ソーテルヌワイン樽 |
おすすめ度 |
グレンモーレンジィ ネクター・ドールは、デザートワインの「ソーテルヌ」の樽でフィニッシュ(後熟)してある珍しいウイスキーです。
ハチミツのような甘さと柑橘系の爽やかさも感じ、アルコールの刺激はほとんど感じないほど優しい口当たりが楽しめます。
スッと染み込むような優しい味わいは、ウイスキーを飲み慣れていない人にもおすすめです。



本当に美味しくて飲みやすいので、すぐボトルがなくなってしまって、コスパが良いのか悪いのかわからなくなります。笑


クライヌリッシュ 14年


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 46% |
熟成樽 | バーボン樽 |
おすすめ度 |
クライヌリッシュ 14年は、オイリーかつクリーミーな飲み口が特徴のウイスキーです。
バニラ系の甘さとリンゴのようなフルーティーさ、シトラスのような爽やかさ、ゆるやかなスモーキーさと、複雑な味わいでで飲みごたえがあります。
優しさはありつつもしっかりとした飲み心地で、ウイスキー初心者から飲み慣れた人まで、幅広い人におすすめです。



ちなみに、水割りとしてということではありませんが、僕が1番好きな銘柄です。


ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(アイランズ) |
内容量 | 700ml |
度数 | 40% |
熟成樽 | スパニッシュ・アメリカンオークのシェリー樽 (1stフィル・リフィル) |
おすすめ度 |
ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナーは、甘く華やかで骨太な味わいが楽しめるウイスキーです。
ハチミツの甘さ、フローラルな香り、潮気、軽いスモークと、複雑で多彩な味わいが楽しめます。
複雑ですが比較的クセがあまりなく、かつ風味のボリュームもあるので、こちらもウイスキー初心者から飲み慣れた人まで、いろんな人におすすめです。



オールラウンダー的な味わいで、けっこうコスパも良いんじゃないかなと思います。


カリラ 12年


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(アイラ) |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
熟成樽 | バーボン樽 |
おすすめ度 |
カリラ 12年は、クセの強いアイラモルトの中でも、かなりバランスの取れたウイスキーです。
しっかりとしたスモーキーさはありますが、トゲトゲしくなく、バニラの甘さとシトラスの爽やかさ、潮気、スパイシーさと、1本でいろんな味わいが楽しめます。
味わいはしっかりしていますが、優しさも感じられる水割りが楽しめるでしょう。



アイラモルトの中では僕が1番好きなウイスキーです。


ブナハーブン 12年


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 46.3% |
熟成樽 | バーボン樽 シェリー樽 |
おすすめ度 |
ブナハーブン 12年は、クセの強いアイラモルトの中でも、クセのない珍しいウイスキーです。
バニラの甘み、ドライフルーツのような落ち着いたフルーティーさ、潮気、オイリーでクリーミーな口当たりが楽しめます。
まろやかで飲みやすいですがしっかりとした味わいなので、水割りにしてもペラペラになりません。



飲みごたえのある水割りなので、ライトめの味わいが好みの人にはもしかしたら合わない可能性も。
スーパーニッカ


原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
おすすめ度 |
スーパーニッカは、「余市」「宮城峡」とニッカウヰスキーの各蒸溜所で造られる原酒がブレンドされているウイスキーです。
バニラのような甘み、リンゴのようなフルーティーさ、ほんのり香るスモーキーさが楽しめます。
低価格ながらとてもバランスの取れた味わいで、コスパはかなり良好です。



一応500mlのボトルもあるので、お試しで飲んでみるのもよいかも!


サントリー オールド


原産国 | 日本 |
分類 | ブレンデッド |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
おすすめ度 |
サントリー オールドは山崎蒸溜所のシェリー樽原酒をベースに造られていて、サントリーのブレンデッドウイスキーの中でも、ちょうど真ん中のグレードに位置するウイスキーです。
ハチミツのような甘さ、洋梨やアプリコットのようなフルーティーさ、オーク香を感じます。
けっこう上品で深い甘みのある水割りになり、コスパもかなり良いです。



どこのコンビニやスーパーに置いてあるからと言って、逆に嫌煙していた人も多いのでは?美味しいので、ぜひ一度飲んでみてください!低価格で試しやすいですし。


山崎


原産国 | スコットランド |
分類 | シングルモルト(ハイランド) |
内容量 | 700ml |
度数 | 43% |
熟成樽 | ミズナラ樽 ワイン樽 他多数の樽原酒を使用 |
おすすめ度 |
山崎は、世界に誇る(世界的にも高い評価を受けている)ジャパニーズシングルモルトウイスキーです。
さまざまな種類の樽を使って熟成された原酒を使用しているので、繊細かつ複雑な味わいが楽しめます。
バニラの甘さ、ベリー系のフルーティーさ、華やかなオーク香を感じ、柔らかくてシルキーな口当たりです。



水割りにすると食中酒としてもよく合いますし、和食などの繊細な味わいの食事の邪魔をしません。


特におすすめの水割り用ウイスキーTOP3


18種類のウイスキーを紹介しましたが、結局どれがおすすめなのかわからなくなった人もいることでしょう。
紹介する銘柄は厳選したので、本当は全部おすすめなのですが、ご紹介したウイスキーの中から「おすすめTOP3」を決めたいと思います。



何を買おうか迷った人は参考にしてみてください!



ウイスキーは嗜好品なので、僕の好みやランキングが合わない人もいて当然です。なのでなるべく「好み」の部分は省いて「水割りとしての完成度」を考えながら選びました!
まとめ:水割りだってメインの飲みかたになり得る!
水割りを好んで飲む人は、比較的少数です。
しかし、家でも美味しい水割りが作れるようになれば、他の飲みかたでは体験できないような、
「身体にスッと染み渡って、心がホッと落ち着く」
という家飲み体験ができるはずです。
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